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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】聞くとは何か

おはようございます。稲垣陽子です。

さて、みなさんは人の話を聞く時、
どんなことを意識して話を聞いていますか?

知らないことを聴く

私の体感的な経験にすぎませんが、
多くの人が自分の体験や知識、思想に照らし合わせて
人の話を聞いているように思います。

「あーその話、分かる分かる」
「自分もそうそう!!」

共通点が多いと聞きやすいですし、
対話も進みますよね。

実際に、コーチングを学び始めた人が
初めてセッションの練習をすると、

「人の話を聞くのは難しい!
とくに自分の知らない分野(異業種)の人の話を聞くのは難しい!」
という感想をよく言います。

確かに、自分がわからないことや
知らないことを聞くのは難しいかもしれません。

でも、不思議なのですが、
逆に話した人(話を聞いてもらった人)は、
「異業種の人に話を聞いてもらうと
自分にとっては当たり前のことでも
関心を持ってくれたので、すごくよかった」と言うのです。

聴く姿勢に大切なこと

ここに何が起きているのでしょうか?

前回もお伝えした、
パーソン・センタード・セラピーについて
関西大学心理臨床センター白崎先生が書かれた論文(参照1)
の文章を引用させていただくと

他者とは同一化もコントロールもできない、私とは本質的に異なる存在である
・それゆえ他者を知ることはできない。
・他者の他者性を破壊せず関係を結ぶには、ただ共感し、承認すること
・他者に出会うには・・・反対側に立たずして出会いはない

と書いてありました。

つまり、

自分と同じだからわかる。
わかるから理解できる。
理解できるから聞ける。

ではなくて、

ただその人が表現するままに、
そう思うことを聞き、感じ、興味を持って聞く

そのことが、聞く姿勢には大切なんだと思います。

論文の中にも、
・疑いや評価などなく誠実に、その人が表現するままに、
明らかにするままに、あるがまま受け取る
・他者の他者性は恐れたり拒絶するような危険なものではなく、
豊かさとして歓迎されるもの
と書いてありました。

そんな意識で相手の話を聞いてみたら、
例え普段から慣れ親しんだ人でも、
いつもとは違うその人を知れたり、感じることができるかもしれません。

今週、ぜひ試してみてくださいね。

 

参考文献1
対話・他者との「出会い」の哲学から考える無条件の肯定的関心 : Schmidの論文から学ぶ
https://mshn.jp/r/?id=14rfj3131&sid=4758

Schmid・・・ピーター・F・シュミット氏
パーソン・センタードセラピーの対話的アプローチの第一人者
(wikipedia参照)

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●上記のテーマをさらに深めるために
下記のバックナンバーがおすすめです。

【相手にベクトルを向けて話を聞く】
>> https://mshn.jp/r/?id=14rfk3131&sid=4758

【聞く力を上げる】
>> https://mshn.jp/r/?id=14rfl3131&sid=4758

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