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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】部下面談がうまくいった事例ー「共感」を活用したAさんの場合

おはようございます。稲垣陽子です。

1対1で部下と面談を頻繁に行う上司が増えてきています。

しかし、面談は二人だけのクローズドな世界。
模範例も少なく、実際に部下の話を聞こうと思っても何を聞けばいいのかよく分からないと悩む方は多いのではないでしょうか。

マネージャーのAさんは、仕事ができて、部下からも慕われている上司です。

業務知識も豊富で周りからの信頼も厚く、部下の面倒見も良い。
実際に1ヶ月に一度は部下全員と1対1の面談を行っていました。

しかし、いまいち面談に手応えを感じていませんでした。

面談をしても、結局自分の意見を押し付けてしまっているのではと悩んでいました。

今までの面談のやり方は部下の話を聞きながら
「それどういうこと?」
「これはどうなっているの?」
など、自分と意見が違うことや、疑問に思ったことを中心に話を聞いていたそうです。

それだと自分の意見と照らし合わせて相違点を修正したくなり、結果ティーチングやアドバイスをして面談が終了してしまう、という状況でした。

ティーチングが悪いわけではありません。

でも、ティーチングをすると結局上司である自分の意見が通ってしまう。そうではなくもっと部下の意見を引き出せるような面談をしたい。

そこで、Aさんはコーチングを学び、面談にコーチングを取り入れることにしました。

最初に心がけたことは、今までのように相違点や疑問に対して聞いていくのではなく、自分の意見と合っている部分を共感し、同意点を深く聞いていくようにしたのです。

具体的には、自分と同じ意見の部分を「それはいいね」で終わらせるのではなく、
「なぜそう思ったの?」「なぜそれをやろうとしているの?」
とさらに深掘りしていきました。

すると、自分も共感できる部分なので思考が進み深掘りしやすかったり、お互いに同意見なので否定された感もなく、自由に会話が進み、そこから発想が湧いてきて、結果、お互いに思いついていなかったさらに良いアイデアにたどり着いたそうです。

上司であれば、部下の「分からない」「間違っている」点を修正したくなります。

しかし、それに真っ正面に向かい合い、一から修正し、気づかせようとするのは簡単ではありません。

それよりもまずは「わかっている」「同じだ」という部分を掘り下げてみる。
すると、確かに同じだという気づきが生まれます。

これが、思っている以上に双方にとって安堵感を生むのです。

なぜなら、わかった気になっているだけで、実はきちんと分かり合えてないなんてことはよくあります。丁寧に聞いていくことで、分かると実感できる量は増えます。

お互いに分かり合えている、同じ方向を向いているという中で話していくことは、会話も弾みます。

また、よく聞いていくと「同じだ」と思っていても微妙に違う部分があることに気がつきます。
でも、ベースが「同じ」であれば、違いは抵抗ではなく、触発のポイントになります。

それなら、こんな考えはどう、これをしてみたらどうかななど、新たな発想や創造が生まれるきっかけになります。

違いを鋭く指摘し突っ込んでいく姿勢も大事ですが、同意点を掘り下げ、膨らませていく。
「私もあなたも一緒だね」そんな感覚の中で対話が進む心地よさは、お互いにとって有意義な時間になるでしょう。

お盆明けですね。

今週も素敵な1週間をお過ごしください。

 

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