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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】子どもの夏休み前、とある夕食の時間

おはようございます。共創コーチングの稲垣友仁です。

毎週、稲垣陽子と交互に書いてきたメルマガですが、今回は、Webマーケティングのリーダーであり、元塾講師、そしてソムリエという異色の経歴を持つ、「佐々木まさる」さんに、コーチング的な視点を交えた教育コラムを寄稿していただきました。

佐々木さんは上記の通り、企業人と教育人としての視点、そして、作物を大切に育てる農業的視点をお持ちになる方です。

それでは、佐々木さんのコラムをお届けします。

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あゆみのゆっくりな娘のために、「早く」取り組むべきは、何だろう?

はじめまして、佐々木まさると申します。

縁あってこの度、共創コーチング®のメールマガジンに記事を書かせていただくことになりました。

私は、教育や人材育成の業界でマーケティングのキャリアを積んできましたので、人の成長とそれを見守る人についての話を書かせていただこうと思います。 私自身がどのような人物か、それは本文を読みながら少しずつ知っていただければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。

子どもの夏休み前、とある夕食の時間

私には、今年、小学1年生になった娘がいます。ここでは、仮に「はなちゃん」と書かせていただきます。

夏休みに入る前、保護者懇談があり、妻が参加してきてくれました。 その日の夜、少し不安そうな顔をした妻が言いました。 「はなちゃん、学校の勉強、やることがいっぱいで、今のままだと二学期にはついていけないかも、、、だって」

まだ一年生、それほど難しいことはやっていないし、プリントの1~2枚程度の量で、もう学校についていくのがやっとという、そのことが、母親としては、少しこたえたようでした。 かくいう、私も、少なからずショックを受けました。

私は以前、塾講師や大学編入予備校の校長として、たくさんの子どもたちの成長に向き合ってきました。 大学では教育学を学び、「子どもの発達には個人差がある」ということはわかっていましたし、 この子が生まれた時から、これまでも、「この子はこの子のペースで育っていけばいい」と思っていました。

それなのに、いざ我が子が「遅れそうですよ」と言われたことに、動揺してしまいました。 塾や予備校に通っていた子たちや、その親御さんたちには「大丈夫」と、心の底から、向き合えていた自信があったのにです。

遅れないように先取りするのはどこまで正解だろう

ショックを受けつつも、妻がその後に言った言葉が、少しだけ冷静さと、また同じくらいの迷いを私に引き起こしました。

「小学校に入る前に、ひらがなや計算に、もっと慣れさせておけばよかったのかもしれないね」

学校でやることが遅れるーー聞いても理解がおよばない、解き進めるのが遅いーー、 それは、1年前に戻った時、文字や計算に早めに取り組むことで、果たして解決したことなのだろうか?と。

うちの、はなちゃんは、何をするにも、とてもマイペースなのです。 朝、学校に行く準備をするのも、ごはんを食べるのも、歩くのも。

でも、実は、勉強ができないわけではないのです。 遅いけど、学校に行く準備を自分で考えてすることができるし、 ごはんも時間が許す限り、最後まで食べるし、 遅くて、友だちに置いて行かれることはあっても、学校にも到着する。

ただ単に、人より速くこなすのが苦手なだけ。

遅いことと、できないことは、違う。 ふと、そんなことが頭に浮かびました。

勉強の先取りはどこまで子どものためになる?

はなちゃんに「先取り」をした教育をするかどうかを考えていると、 中学受験の塾で講師をしていた時のことを思い出しました。

「中学受験は、四年生から始めないと間に合わない」という言葉があり、 また近頃は、もっと早くから、という声もあるようですね。

勉強すること自体は、別に悪いことではないと思いますし、やりたいならやれば良いと思います。 ですが、それが正しいのかどうか疑問がありました。 というのも、ときどき小学6年生から入塾し、あっという間に小学4年生から通っている子の成績を追い越してしまう子たちがいたからです。 いわゆる「地頭の良い子」だったのかもしれません。

小学4年生からのスタートと、小学6年生からのスタートでは、単純に2年の差があるわけです。 それだけを見れば、絶望的に遅れています。 ところが、その子たちは、初めて見るタイプの問題にぶつかっても、すぐには手を止めず、 自分の中にある知識をあれこれ組み合わせ、なんとか糸口をつかもうとするんです。 その粘りが、長く通っている子たちよりも、ずっと強かったように思うのです。

長く通っている子たちは、数をこなすために、「できない」と判断するのが早い、 それに対して、短期間でもぐんぐん伸びる子は「できない」と認めるのが遅い、 観察していて、それは顕著だったと、今でも思います。

「地頭の良さ」を分解すると、そういうことなのかもしれないなと思います。

「地頭が良い」は、どうすれば?

「地頭が良い」というのを説明した本が出ていたりしますが、 どうすれば地頭の良い子(人)に育つのか、私はまだうまく言葉にできません。

しかし、あの子たちを思い出すたびに、 「知識が足りなくても、考えればたどり着けるかもしれない」と思えることーー そのあたりに、何か大切なものがあるような気がしています。

たぶん、算数ができるとかできないとかは、結果でしかなく、その前に算数に向き合う姿勢に違いがあるように思います。

私が、娘のはなちゃんがこれから成長していく上で、いちばん気にかかっていて、恐れているのは、その姿勢が育つかどうかにあるのだと思います。

「わからない」から、進められない遅さなのか、 「わかりたい」からこその遅さなのか

遅い子どもに、親ができることは?

ここまで書いてみて、私としては、 「わかりたい」を育てるために、ゆっくりでもいいから、一つひとつ積み上げていってほしいという気持ちがやはり大切だと思っていることに気が付きました。 一方で、はなちゃんが「自分は遅い=できない」と思い込んでしまわないようにと願っている自分もいます。

仮にできないことがたくさんあったとしても、できることに目を向けてほしいと思いますし、 できることが、誰かの役に立ち、それがはなちゃんの居場所を守ってくれたらと思います。

早く取り組むべきなのは、算数の問題に慣れることではなく、 親と子が向き合う、その姿勢のほうを育てておくことなのかもと、うっすらと感じています。 つまずいたときに、となりで一緒に考えてくれる人がいる。 「どう思う?」と、その子の考えるペースで待ってくれる時間がある。 そういう時間を積み重ねた子は、「できない」と見切るより、「わかろう」とすることに頭を使えるようになるのではないかと思います。

なんて、きれいなことを書いていますが、 はなちゃんが自分で答えにたどり着くのを待ちきれず、 答えを言ってしまい、そのたびに「あ、またやっちゃったな」と思うことも多々あり、 そのたびに、次こそは、はなちゃんが自分で考えられるような声かけをというのと繰り返しています。

さいごに、おたずねしたいこと

皆さんの身の回りを思い浮かべてください。 この子(人)「遅いな」と思う人、自律して「早く」動けるようになってほしいなと思う子(人)はいますか?

もし、そういった子(人)がいるなら、皆さんは、 その子(人)が成長するために、どのような声がけ、どのような接し方をされていますか? よろしければ、聞かせていただけたら嬉しいです。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。 暑い日が続きます。どうぞご自愛のうえ、良い夏をお過ごしください。

佐々木まさる
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教育業界で長くマーケティングに従事し、英会話スクールや大学編入予備校の校長を務める。数多くの親子に向き合うなかで、学力の壁を越える鍵は「解き方を覚えること」ではなく、子どもが遊ぶように没頭する時間のほうにあるのかもしれない、と考えるようになる。現在は企業で人材育成関連のマーケティングに携わりながら、「人が自ら動きたくなる」ことと「チームで成果を創出する」ことを中心に、有識者へのインタビューと記事の執筆に勤しむ。共創コーチ®養成スクールで学び、コーチとしても活動中。京都大学教育学部卒。

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