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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】「ねばならない」を手放す 〜日常に活かすゲシュタルト療法の視点〜

おはようございます。共創コーチングの稲垣友仁です。

先週の土曜日、共創コーチング実践CLUBのオンラインセミナーにて、私が南山大学の大学院で教えていただいた中西美和先生をお招きし、ゲシュタルト療法の基礎を学ぶ特別セミナーを開催しました。

当日ご参加いただいた方、ありがとうございました。

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ゲシュタルトの手法は、コーチングでもかなり自然に使っているスキルや考え方でもあります。

今日はその深い学びの中から、私たちの日常生活やマネジメントに直結する「今、ここ」の気づきと、言葉の言い換えについて詳しくお伝えします。

「ゲシュタルト」って人の名前?

「ゲシュタルト療法」と聞くと、よく「ゲシュタルトさんが作った心理療法ですか?」と勘違いされる方が多いのですが、実は人の名前ではありません。

創始者はフリッツ・パールズという精神科医です。「ゲシュタルト(Gestalt)」とは、ドイツ語で「かたち」「形態」、あるいは「統合された全体」を意味する言葉です。

私たちは毎日忙しく過ごしていると、心と体がバラバラになりがちです。例えば、目の前で料理を作りながら、「明日の子どものお弁当どうしよう」「今日の午前中、あの人にキツく言いすぎたかな」と、頭の中が「未来の不安」や「過去の反省」でいっぱいになることはありませんか?

体は「今、キッチン」にあるのに、心が「過去」や「未来」に飛んでしまっている状態です。ゲシュタルト療法では、これを「今、ここ(Here and Now)」にピタッと戻し、自分を一つの「全体」として統合していくことを大切にします。

答えを出そうとしたり、無理にポジティブになろうとするのではなく、「あ、私はいま肩に力が入っているな」「少し胸がモヤモヤしているな」と、ただ自分の感覚に気づく(アウェアネス)こと。これがゲシュタルト療法の出発点です。

過去の原因を分析して「なぜ問題が起きたのか」を探るのではなく、「今、この瞬間に自分に何が起きているか」という現在進行形の体験を何よりも重視します。

「変わらなきゃ」をやめた途端に変化は訪れる

この「気づき」に関して、中西先生は非常に興味深いお話をされていました。

ゲシュタルト療法では、気づきを「問題を解決するため」だけに使おうとはしません。ただ気づいたことをそのまま味わうだけで、そこから自然な変化が生まれると信じているからです。

これを提唱したアーノルド・バイザーの言葉に、「変化のパラドックス」というものがあります。

「変化は、あなたがあなた自身になった時に訪れる。自分ではない何者かになろうとする時ではない」

私たちはつい、
「もっと優しい親にならなきゃ」
「もっとできる自分に変わらなきゃ」
と自分を奮い立たせようとします。

しかし、無理に違う自分になろうと努力するのをやめ、本来の自分のままであり続けることで、結果的に自ずと自然な変化が起こるという逆説的な真理です。

先生は「けん玉」の例を出されていました。普段の練習ではできているのに、検定や本番になると「ちゃんとしなきゃ」「失敗してはダメだ」と余計なものを背負い込み、本来の動きができなくなってしまう。

ありのままの自分でいる時にこそ、一番力が発揮され、周囲との間にも心地よい変化が生じていくのです。

日常に活かす言葉の実験:「ねばならない」と「できない」

セミナーでは、この「今の自分に気づく」ための実践的なワーク(実験)を行いました。日常の言葉を少し言い換えて、自分の中の体の感じや心のエネルギーがどう変化するかを味わうものです。みなさんもぜひ、ご自身の日常に当てはめて試してみてください。

①「ねばならない(Should)」から「選んでいる(Choose to)」へ

例えば、
「私は仕事と家事を両立しなければならない」
と思っていたとします。

その言葉を、
「私は仕事と家事を両立することを選んでいる」
と言い換えます。

「しなければならない」の背景には、誰かの期待に応えようとしたり、仕方がないという無力感が隠れていることが多いものです。

これを「選んでいる」と言い換えた途端、自分の存在の輪郭がはっきりとし、自由と同時に「自分が引き受ける責任」を感じる方も多いでしょう。

②「できない(Can’t)」から「しない(Won’t)」へ

次に、
「私はPTAの役員が断れません」
という言葉を、

「私はPTAの役員を断らないことを選んでいます」
と言い換えてみます。

セミナーの参加者からも、

「『できない』と言うと情けない気持ちになっていたのに、『選んでいる』と言い換えたら、根っこのところで本音がポロッと言えて楽になった」

という声が上がりました。 本当にできないのか、それとも今の環境において「波風を立てないこと」を自ら選んで自分を守っているのか。そこに気づくだけで、視界が大きく変わります。

私たちは毎日、無意識に様々なことを選択しながら生きています。自分が何を選び、何を選んでいないのかを客観的に眺めることは、自分自身を整える上で非常に重要です。

 

相手と関わる時も同じです。無理に相手を変えようとするのではなく、相手が「今、何を体験し、何を選ぼうとしているのか」に耳を澄ますこと。

相手の話を聴く側も、今ここでの自分の体験に耳を澄ましながら関わること。

お互いに「今、ここ」のリアルな状態を理解しようとする姿勢こそが、「主体性の掛け算」を生み出すのだと、今回のセミナーを通じて改めて確信しました。

皆様もぜひ、ご自身が日常で発している言葉に耳を傾け、「今、ここ」の感覚を味わう時間を大切にしてみてください。

【EXPERT GUIDE】
今週、あなたが「しなければならない」と感じている日常のタスクを一つ、「することを選んでいる」と言い換えてみてください。その時、あなたの中にどのような感覚や気づきが生まれましたか?

共創コーチング 稲垣友仁

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