おはようございます。稲垣友仁です。
昨年、アメリカメジャーリーグ(野球)のオールスターゲームに
日本の岩手県にある花巻東高校から二人の野球選手が選出されました。
すごい快挙だと思います。
もうご存知かもしれませんが、大谷翔平選手、菊池雄星選手です。
二人を育てたのが、現在も花巻東高校の野球部監督である佐々木洋先生です。
佐々木先生は、大谷・菊池両選手だけではなく、
そのほかにもプロ野球選手を何人か育てています。
また、それだけではなく、
東京大学に合格する生徒やメディアで働くアナウンサーなど
野球に固執せず多方面の人材を育てており、
まさに人材育成のプロフェショナルだと思います。
なぜこのような逸材を次々に育てることができるのか。
日経ビジネスオンラインの佐々木先生へのインタビューで
下記のような一文を見つけました。
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国士舘大学の野球部在籍中、
指導者の勉強も始めていた佐々木さんの部屋の浴室は
土まみれでした。
植物を育てられない人に、
まして人間を育てることなどできないと、
土壌づくりに励んだからです。
出典:
大谷翔平が学んだ「花巻東野球部フィロソフィ」
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人を育てるのは、
どこか植物を育てるのと似ている部分があると僕も思います。
小学生の時に習った知識でいくと、
植物を育てるには光と水と土が必要です。
光と水については、
質を大きく変えることは難しいと思いますが、
土は大きく変えることができる。
良い土という環境が、
その植物の潜在的に眠っているものを目覚めさせ、
大きく実らせる。
佐々木先生の人づくりのポイントは、
土壌づくりにあるのではないかと思いました。
話は変わって、
私たちが主催する共創コーチ養成スクールの参加者に
土壌を研究している研究者の方がみえます。
月に1回、
スクールに参加している専門家に聞く会というものがあるのですが、
その研究者の方に土壌について話していただきました。
(CLUBAクラバの会)
https://mshn.jp/r/?id=14q0m3131&sid=4758
とても興味深いお話で、かなり盛り上がったのですが、
その方がおっしゃっていたことで印象的な言葉があります。
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土壌の「壌」という漢字の成り立ちは、
「優しく育てる」「大切に育てる」「割り込んでいく」「変化させる」
という意味があります。
自然の生態系の中にあり、地表面におち、
多様な生物が分解して、どんどん土が育っていく。
それが「壌」になるのです。
自然の土には、
その時、そのところでできた土には良し悪しはないが、
例えばAさんが小麦が食べたい。
そうすると土壌を小麦仕様に変えなければならなくなる。
そういう時に手を入れる。
土を変えていかなければならない。
それが「壌」の意味でもあります。
私が作りたい作物に向けて、元々の土を変化させる。
それが「壌」の意味でもあるのです。
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とおっしゃっていました。
植物を育てる時には、土壌の状態はとても大切です。
いい土壌であれば植物はより良く育つし、
そうでない土壌だと、そうならない。
人材育成や教育も同じではないかと思います。
人材育成や教育における土壌とは、
その組織に流れている「雰囲気」だと僕は思います。
組織によっては、フィロソフィーと言ったり、
風土と呼んでいたりする目には見えないものだと思います。
組織をうまく率いているリーダーは、
そのような目には見えない雰囲気を大切にしています。
それは、その雰囲気次第で人がうまく育つかどうかが決まるからです。
雰囲気を作るのは、
リーダーの姿勢や、そこにいる一人一人の人間関係や想いです。
人間をポジティブに捉える雰囲気。
受容することや共感すること、
そして承認することをベースとした関わりが、
肥料となり土壌となり人を創る。
人の無限の可能性の種を花開かせたいなら、
育てる土壌をどう作るか、
そこにどんな思いを吹き込むのかが大切だと思いました。
あなたが属している組織ではいかがでしょうか。
人がより良く育つ土壌が構築されているでしょうか。
参考文献:
大谷翔平が学んだ「花巻東野球部フィロソフィ」
日経ビジネスオンライン
https://mshn.jp/r/?id=14q0n3131&sid=4758
共創コーチング実践CLUB CLUBA(クラバの会3月)
https://mshn.jp/r/?id=14q0o3131&sid=4758
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