おはようございます。稲垣陽子です。
先週はお盆でお休みの方も多かったのではないかと思います。
いかがお過ごしでしたでしょうか。
先週の火曜日、TBSのドラマ「私の家政婦ナギサさん」で1on1ミーティングが取り上げられました!
きちんと調べて取り上げられたようで、このメルマガでもよく出てくる「心理的安全性」や「気づき」なるキーワードも出てきていました。見ているだけで何だか私までドキドキ、テンションが上がりました!
その後、友人のコーチが教えてくれた裏話によると、番組のプロデューサーが実際に1on1を導入し効果を実感したため、今回原作にはないのに1on1の話が盛りこまれたそうです。
改めてですが、1on1ミーティングとは、部下と上司が定期的に行う1対1の面談のこと。
目標管理や評価のためにではなく、部下が自らの成長や育成につながる自主的な行動を起こせるようになることを目的に行われます。
しかし、いざ導入しようとするとそう簡単にうまくいく訳ではありません。
よく聞く部下側の不満を3つ挙げてみました。
1、目の前の業務の話に終始しいつもの仕事の打ち合わせと変わらなかった。
2、結局上司がずっと話していて、時間を取られるだけで嫌気が増した
3、何のためにやるのか理解できず、評価につながるのではと疑心暗鬼になって通り一遍等の話しか話せなかった
なぜこうなってしまうのでしょうか。問題点としては大きく3つ考えられます。
1、上司のスキルの問題
2、部下の安心感の問題
3、そもそもの目的の問題
1、上司のスキル
上司側でよく聞かれる悩みは「自分が(上司が)喋り過ぎてしまう」ことです。
気づくとティーチングをしていた、部下を説得していた、というのはよく聞きます。
1on1はただ時間をとって話せばいいわけではありません。30分の時間の組み立て方や前半と後半で意識して使うスキルも違ってきます。
スキルのポイントはたくさんあるのですが、まずは「傾聴」を心がけてみましょう。
特に最初の頃は、相手が思っていることを知ることで上司も安心できます。そんなことで悩んでいたんだ、興味なさそうだったけれど、真剣に考えていたんだ、など、読者の皆さんにとっては「え、そんなこと」と思うかもしれませんが、実際に部下の思いを知れてほっとしたと嬉しそうに報告してくださる方は多いです。
2、部下の安心感
次に多い悩みが「部下が喋ってくれない」というもの。
喋らない部下のタイプは色々ありますが、いきなり上司と話せと言われて、ペラペラ喋れないのが普通です。
喋るためにはその場に「安心感」が必要です。何を話しても受け入れてくれた、親身になって考えてくれた、一緒に悩んでくれた、面談以外でサポートしてくれた、そんな言動が部下にとっては安心感につながります。
まずは安心感を作ることを意識して面談を行いましょう。胸襟を開いて自分の弱みや不安を話すことも相手の安心感を高めます。
うまくいっている1on1は部下から次も話したい、楽しみにしている、という感想が出てきます。
3、そもそもの目的
会社から「1on1をやれ」と指示が来た、だからやっている、という声もよく聞きます。そもそも何のためにこの1on1をやるのか、どういう目的でこれを行うのか、お互いが漠然とした中でやっている時は上手くいきません。
上司も部下も目的をしっかりと把握し、常にそこに意識を向けて対話が行われていると、最初はぎこちなくても好転します。
以前、ある研究者で1on1を導入された方がいました。毎回学んだ通りに1on1の意図を伝えて、仕組み通りに愚直に実施したところ、最初の2―3回は、部下は何も話してくれなかったけれど、徐々に話し始めたそうです。
そして最後には「自分一人では諦めてしまう目標もコーチに相談していくうちに、糸口や代替案が見つかることがわかった。今後も引き続き1on1を受けたい」と話してくれたそうです。
休み明け、早速部下と1on1をやる方、面談を行う方もいるかと思います。
上司ー部下に限らず、親―子など1対1で話す場面には上記の3つのポイントがお役に立つかと思います。
さらに付け足すと、面談をする時、なんとか解決しようというところに意識が行く人が多いですが、その必要はありません。
1on1で自分の考えをアウトプットし、客観的に自分の思考を見つめることができるだけで、人は何かに気づいたり新たな視点が生まれるものです。
ぜひ今週は効果的な1on1を実施してみてください。
では、今週も素敵な1週間になりますように。
*1on1ミーティングとは?組織導入についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
http://mshn.jp/r/?id=10rq92462&sid=4758
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