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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】上司になったら気をつけたい部下との関わり方

おはようございます。稲垣陽子です。

上司であることに自信がなかった私

今日は私が初めて部下を持った話を。

初めての部下Aさん(女性)は、数歳年下でしたが、とても落ち着いていて聡明な方でした。

感情的な私とは違って、理論的で冷静。そうかといって硬いわけではなく、私のギャクにも笑ってくれ、上司として立ててもくれました。

私にとっては人生で初めての部下だったので嬉しかったし、まだ経験の浅い私にとって彼女が働きやすいように私も頑張らなければ、と妙に気合が入ったことを覚えています。

でも、しばらく一緒に仕事をしていると、だんだんAさんの私にはない冷静沈着な優秀さが気になり出してきたのです。

例えば、Aさんから
「稲垣さん、これはどうなっていますか?」
と聞かれるたびに、自分のダメな部分を指摘されるような気持ちになってきました。

また、細かいことを聞かれると
「そんなことどっちでもいいのに・・」
と彼女と話すのが億劫になってきたのです。

今にして思えば、自分が上司であることに自信がなかったことが原因だとわかります。

でも、自信がないとはとても言えません。

そこで、私がやったことは、「私は上司なのよ」と言わんばかりに、Aさんにぶっきら棒に指示をしたり、できてることを承認するのではなく、小さなミスやできていないところを指摘するような関わりになっていきました。

自分は上司なのだから、「きちんと」上の立場や威厳を持たないといけない、と自信のない部分は隠して、無理して「上」で居続けようとしていたのでした。

今の言葉で言うと「マウント」を取ろうとしたのですね。

結果、なんとなくぎこちないまま、部署移動で彼女は私の元から離れて行きました。

今振り返ると、この場合どうすれば良かったのでしょうか。

それは、上司だからといって、無理して上になろうとしないことです。

上司と部下、それでも対等な関係を目指す

役職を手放して部下と仲良く、迎合しろという意味ではありません。

立場はそのままで、でも関係性においては対等を目指せばよかったのです。

では、対等な関係とはどういうことでしょうか。

それは、お互いに相手の強み・弱みを認め合いつつ、お互いの能力や思考、情報が双方向に行き合っている関係のことです。どちらか一方の考えを押し付けたり、迎合したりするのではありません。

もし、私に力も自信もあり、やるべきことが明確でその道筋も確固としたものがあるのなら、名実ともに「上」の立場として、どんどん指示をして、引っ張っていけば良かったでしょう。

しかし、自分のやり方にそれほど自信もなく、暗中模索をしながら前へ進んでいる状態なら、自分一人で頑張ってもやれることはそれほど多くはありません。

それよりも、部下の力を信頼してお互いの力や情報を出し合い、相談したりしながら、進めていく方がうまくいきます。

コーチングスキルを使って対等な関係を作る

このように、繰り返しますが、対等な関係とは、お互いの能力や思考、情報が双方向に行き合っている関係のことです。どちらか一方の考えを押し付けたり、迎合したりするのではありません。

対等な関係を作る上で、コーチングスキルはとても役に立ちます。
また、一人で抱えず、部下に相談したり情報を教えてもらったりなど、相手に委ねてみてもいいでしょう。

私自身も、部下の立場の時に、尊敬する雲の上の社長から「これってどう思う?」と尋ねられた時は、すごくモチベーションが上がりました。

今週はぜひ目の前の人と対等な関係を意識してコミュニケーションをとってみてください。

自分一人で解決したり、判断できることはたかが知れています。
目の前の人との対話において、上でも下でもなく、対等に関わることができるのはいつの時代も、特に、これからの不測な時代には、必須なのではと思います。

では、今週も素敵な1週間となりますように。

 

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