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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】目の前の人と信頼関係を築く方法と「傾聴」のコツ

 

おはようございます。稲垣陽子です。

みなさんは、仕事仲間や家族、友人と信頼関係を築くことができていますか?

お互い心を通わせあい、ポジティブなことも、ネガティブなことも、どんなことでも話し合える……。

そんな関係を上手につくっていけたら良いですよね。

ではどうしたら信頼関係が出来上がっていくのでしょうか。

実は、あるコーチングの原則にヒントがあると、私は考えています。

 

継続的にやりとりしないと意味がない

コーチングには、「コーチングの3原則」と呼ばれるものがあります。

1:インタラクティブ(双方向であること)
2:オンゴーイング(継続的に関わっていること)
3:テーラーメイド(個別対応であること)

この3つです。

そもそもコーチングとは、その人の目指すビジョンや目標を達成するためのプロセスをサポートしていく作業です。

私の場合、社長やマネージャークラスの方々と話をし、相手が答えを見つけられるよう手助けしています。

相手に自分のことを話していただくわけですから、当然のことながら、信頼してもらわなければお話になりません。

そんなとき、私が特に意識している原則は、「オンゴーイング」です。

つまり、継続的に相手とコミュニケーションを取ること。一度で全てが解決するとは、私は考えていません。継続的に色々な話をするからこそ見えてくる問題もたくさんあるのです。

たとえば最近、Yahoo!などの大手企業が取り組んでいる「1on1ミーティング」が話題になりましたが、これも「継続的」にやるからこそ効果を発揮するやり方です。

「1on1ミーティング」とは、上司と部下が一対一で、1週間に30分程度、面談を設けるというもの。

何か問題が起きたから面談をする、ではなく、定期的にコミュニケーションの機会をつくるからこそ、お互い信頼しあうことができ、仕事もスムーズになる、という考え方です。

私自身も、さまざまな企業でコーチングをしていますが、本当の意味で、相手と信頼関係ができてきたな、と実感するまでには、やはり3ヶ月くらいはかかります。

信頼関係構築には継続的な関わりは欠かせないのです。

 

「先入観」という敵をいかに消せるか?

でも、信頼関係のために継続的に話すって・・何を話せばいいの?と思う人もいると思います。

多くのリーダーは、部下と信頼関係を築きたいと思うとき、妙に力んでしまうことがよくあります。

気の利いたことを言おうと無理してしまったり、意味のない世間話を延々としたり。自分を知ってもらうために、自分のことを話したり。

それよりも、まずは相手の話を聞くことが大切です。

ならば、どうやって話を聞けばいいのか。何よりも重要なのは、毎回「相手のことを自分は知らない」というスタンスで聞く、ということです。

人は、誰かの話を聞くとき、どうしても先入観を持って聞いてしまいがちです。前に話したときの記憶に影響されて、「ああ、あのとき言ってたことね」「知ってる知ってる」といった具合に、何かしらの前提を持って話を聞いてしまうのです。

けれども、これでは相手の本質はなかなか見えてきません。

以前、私がコーチングを担当していた方で、毎回ネガティブな相談になってしまう方がいました。

自分に自信がなく、明るいトピックよりも仕事の愚痴や悩みばかりを口にします。

「なんてネガティブな人なんだろう」と私は思っていたのですが、あるとき、プライベートで偶然、その彼を見かけたことがありました。ご家族と一緒でした。

ショッピングセンターで買い物をしていたのですが、彼は、私に一度も見せたことのない笑顔で、楽しそうに話をしていました。

そのとき私は、脳天をかち割られたような気がしました。強烈な衝撃を受けたのです。

あの人がネガティブなんじゃない。私が勝手に、ネガティブさを引き出してしまっていたんだ。

そのことに気がついたのです。思い返してみれば、私はいつもコーチング面談を開始するとき、まず「何か困りごとはありますか?」
と聞いてしまっていました。
一度染み付いた「この人はネガティブだ」という先入観のもとで、話を進めてしまっていたんですね。

ですから、相手とコミュニケーションを取るときには、毎回自分の先入観を取っ払って話を聞いてほしいのです。

人は多面体です。ポジティブな側面も持っていれば、ネガティブな側面も持っているのが人間です。

 

サプライズを恐れない

相手と信頼関係を築くためには常に「私は相手のことを知らない」という視点で関わり続けることが大切です。

そうすると、相手から予測不能な言葉が出てくることもあります。

例えば、一番信頼している部下が、実はチームに対し、ものすごい不満を持っていた、ということだってあるかもしれません。

相手の話を聞く、というのは、楽しいことばかりではありません。

予測不能な答えが出てくるかも、悪いことだったら聞きたくないな、と恐怖を覚え、自分に都合の良い方に誘導してしまうことはよく起こります。

まずは、その意識を変えてください。

信頼関係を結ぶのが上手な人は、予測不能をサプライズと受け取り、楽しみます。

まずは、面談の出だし30秒、意識してみてください。

ポジティブなことであれ、ネガティブなことであれ、「なんでも話していいよ」というまっさらなスタンスで取り組みます。

私は、信頼関係とはミルフィーユのようなものだと思っています。
このテクニックを駆使すれば信頼関係が一瞬で出来上がる! といった、うまい話は存在しません。

ミルフィーユの生地を一枚一枚、積み上げていくように、少しずつ出来上がっていくものなのです。

逆に言うと、変なこと言って失敗したなと思っても修復OKなんです。私も今だにしょっちゅう失敗します。自分の勝手な意見を押し付けてしまったり、余計な一言を言ったり。
そんなときは、謝りましょう。「自分の思いを押し付けてしまった」と反省し、そして、また新しく信頼を積み重ねていけば良いのです。

関わり続けることを諦めない限り、ミルフィーユは重なります。

ぜひ、この「オンゴーイング」という原則をご自身のコミュニケーションに活かしてみてくださいね。

では、今週も素敵な一週間になりますように。

 

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