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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】攻めの休養

おはようございます。稲垣友仁です。

今日は3連休の最終日。
夏休みが始まった、というご家庭も多いかもしれません。
この夏はどのような休暇を取られるでしょうか。

「攻めの休養」〜休むことで高める、自分のパフォーマンス〜

「休むこと」にどんなイメージを持っていますか?
怠ける、止まる、遅れる…。そんなネガティブな印象を抱く人も少なくないかもしれません。
でも、実は“戦略的に休む”ことで、私たちのパフォーマンスは格段に高まります。
そのキーワードが「攻めの休養」です。

岡田監督の「攻めの休養」

2024年6月22日の日経新聞に、
阪神タイガース・岡田彰布監督の興味深い発言が載っていました。

岡田監督といえば、阪神を2度のリーグ制覇に導き、
さらに2023年には38年ぶりの悲願であった日本一に輝くという、
阪神史に残る偉業を成し遂げています。

岡田監督は、主力選手が不調のとき「疲れているから休ませる」ではなく、
「ここで一度立ち止まることで、再び爆発的な力を出せる」と
“積極的に休ませる”選択をしていました。

これはまさに「攻めの休養」。
消極的な回避ではなく、未来の成果を見据えた前向きな戦略です。

休養に“ポジティブな負荷”をかける

ここで大切なのは、単なる「ダラダラ休養」ではないということです。

私たちは「何もしない時間」を過ごしても、
思考がネガティブに向いてしまえば、かえって疲れてしまうこともあります。
逆に、“心地よい刺激”や“前向きな負荷”を加えることで、
エネルギーは効果的に回復します。

これは、スポーツ選手の回復にも通じる考え方です。
たとえば、全く動かないよりも、軽いストレッチや散歩、
読書などを取り入れることで、より深いリカバリーが起こるとされています。

7つの「攻めの休養」タイプ

参考までに、米国の心理学者サンドラ・ダルトン=スミス博士が提唱する
「7つの休養のタイプ」をご紹介します。

  1. 身体的休養:睡眠、ストレッチ、軽運動など
  2. 精神的休養:頭を使わない時間、ぼーっとする、瞑想など
  3. 感情的休養:気を遣わなくていい時間、安心できる人との会話
  4. 社会的休養:疲れる関係から距離をとる、充電できる関係に触れる
  5. 感覚的休養:スマホ・PCから離れ、静けさや自然の音に触れる
  6. 創造的休養:自然・芸術に触れる、新しいことに好奇心を向ける
  7. 霊的休養:自分の価値観や存在意義を見つめ直す、祈り、内省

これらの中で、今の自分がどの「休養」を必要としているか。
どれが枯渇していて、どれを意図的に満たすべきか。
自分に問い直してみることが、「攻めの休養」につながります。

リーダーにも必要な“回復力”

共創コーチング®では、内省の時間を大切にします。
それは、行動を止めて自分の中の状態を整理し、
エネルギーを整えることで、次の「質の高い一歩」を踏み出すためです。

これまでの行動は理想に近づいているだろうか?
この期間、自分の大切にしていたことは何か?
どうなることが理想か、どのようなことをなしとげたいのか?

などを振り返ることで、自分の中にある中心的なエネルギーと
つながりなおし、活力がみなぎってきます。

特にリーダーや教育者は、人に与え続ける仕事。
だからこそ、自分の回復力(レジリエンス)を意識的に整える必要があります。

「休むこと」は、前に進むための準備です。
自分の状態を俯瞰し、必要な休養のタイプを選び、意図的に整える。
それが、今ここにいる“あなた”の未来の力になります。

この夏はどんな「攻めの休養」を、してみたいですか?

📚 参考文献
・日本経済新聞(2024年6月22日)「阪神・岡田監督の『攻めの休養』」
・Saundra Dalton-Smith(2017)”Sacred Rest: Recover Your Life, Renew Your Energy, Restore Your Sanity”
・共創コーチング®養成スクール教材「経験学習と内省のプロセス」

稲垣友仁

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