おはようございます。稲垣陽子です。
「相手の話を聞くことは大切だ」というのはよく言われることですよね。
コーチングでも傾聴はとても大切なスキルの一つです。
でも、「うんうん」「へぇ」など相づちを打ってもらうだけでは、
話が盛り上がらないし物足りなく感じたことはないですか?
「つまり~ですね」とまとめてもらったり、
「~でつらかったんです」と言ったとしたら「つらかったんですね」と
感情やキーワードとなる言葉をそのまま繰り返してもらうと、
聞いてもらった感が高まった体験はないでしょうか。
これを「要約」スキルと言います。
要約スキルとは相手が話した要点を短くまとめて返すことです。
「傾聴」の応用スキルと言えます。
自分の話を要約してもらうことで、
自分の考えや感情をより明確に理解することができます。
つまり自己理解が深まります。
とても大切なスキルではありますが、
いざやろうとするとこれが簡単そうで結構難しいのです。
なぜなら、相手の話をよく聞けば聞くほど、
わたしたちの頭の中には自分の意見や感想が浮かんできます。
ついそれを言いたくなるもの。
例えば、「〜さんはそのことを大切に思っているんだなと思いました」
など、感想を伝えたくなることはよくあります。
でも、これはスキルで言うと「フィードバックスキル」になります。
「要約スキル」ではありません。
「フィードバック」スキルとは自分の観察や感じたことを伝えることであり、
クライアントが自分の行動や思考パターンに気づき、
改善や変化を促すことを目的とします。
つまり気づきが起こり視点が変わります。
なので、この二つは形は似ていますが、目的は異なります。
要約は相手の話を整理し確認することで自己理解が深まることを狙い、
フィードバックは気づきを促進し視点が変容することを狙います。
しかし、実際のコーチングやコミュニケーションにおいて、
この二つはしょっちゅう混在されます。
要約のつもりでフィードバックをされる方はとても多いです。
要約されると、相手は話したいことがどんどん深まったり、
自分の話したい流れで話を続けていきます。
それに対してフィードバックは立ち止まって考えたり、
違う視点で話がスタートしたりします。
そこで、今週はこの二つを意識して使い分けてみませんか?
要約がうまくいくと、相手の人が勝手に話を進めてくれるでしょう。
フィードバックがうまくいくと、エネルギーが変わるような変化が
二人の間に生まれてくるでしょう。
コミュニケーションの最初の段階はまず要約スキルが効果的ですし、
フィードバックはある程度話を聞いた中で沸き起こったものを伝えると効果的です。
ぜひどちらも試してみてくださいね。
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