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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】スキマがあなたを我に返す

おはようございます。稲垣陽子です。

お盆も終わりましたね。今日から通常運転の方も多いのでしょうか。
さて、今日はパリオリンピックでの興味深い出来事を取り上げたいと思います。

我に返る瞬間

女子ビーチバレーのカナダvsブラジルの決勝で、選手同士の口論が起こりました。
審判の介入にも関わらず、選手たちは険悪なムードだったのですが、
突然流れたビートルズの名曲「Imagine」によって、状況が一変したのです。

その直後、選手たちはまるで我に返ったかのように
態度が穏やかになり、笑顔を見せ始めました。
さらに観客も大合唱を始め、場の空気が一気に変わっていきました。
勝負の真っ最中でありながらも、この変化は非常に印象的でした。

詳しくはこちらの動画をどうぞ。
イマジンで空気一変_日テレスポーツ 公式youtube

詳細記事はこちらから
The Answers(8月10日配信記事)

さて、「我に返る」という言葉は、
「一時的な混乱や感情の高ぶりから冷静さを取り戻す」という意味があります。
今回のビーチバレーの選手たちにも、この「我に返る」瞬間が訪れたのです。

日々、私たちが出来事に対応したり、的確な判断を下すためにも、
時に「我に返る」ことが必要です。
このケースでは、「Imagine」という音楽が、そのきっかけとなりました。

自分と外部との隙間

皆さんも、過去に「我に返った」経験があるのではないでしょうか?
それはどんな時でしたか?
自分を冷静にし、現実と向き合うためには、
時に外部からのきっかけが必要になります。
それは、音楽、何もしない時間、
あるいは予想外の出来事など、人それぞれ違うかもしれません。

いづれにせよ、「我に返る」ためには、
「わたし」と今ある現実との間を
切り分けてくれるような何か、が、必要なんだと思います。

早稲田大学の郡司ペギオ幸夫教授は共創学会の論文の中で
”「わたし」とは徹底的に受動的なものである”と述べています。

”外部は感じられるだけで,極めて不確かなもので,
実のところ「わたし」の外側に位置するものかさえ曖昧です。
なにしろ「わたし」は世界に対する明確な境界さえ持ち得ないからです。”

つまり、「わたし」と「わたし以外」は混在していて、
「わたし」は個立した存在のようで、
常に外部から影響されている受動的で曖昧な存在であると言えます。
だからすぐ自分がわからなくなってしまう。

だからこそ、「我に返る」ためには、
自分と外部の間に「スキマ」が必要です。
今回の例では、「Imagine」という音楽がそのスキマを作ってくれたのでしょう。

この「スキマ」があれば、私たちは冷静さを取り戻し、
外側に頼るのではなく、内なる自分に目を向けることができるのです。
自分の中にある可能性や素晴らしさに気づくための大切なきっかけになるのです。

今週は、ぜひ「我に返る」ことを意識してみませんか?
そのために、「わたし」と周りのあいだにスキマを呼び込んでみませんか。

きっと、自分の素晴らしさを再発見する機会が訪れるでしょう。

引用文献
共創学に向けて 郡司 ペギオ幸夫著 Vol. 1, No.1, pp.3-4, 2019/6/30 共創学1巻1号(共創学会)

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