おはようございます。稲垣陽子です。
自分の評価判断を脇に置いて相手の話を聞くこと。
コーチングの時の聞く姿勢として大事なことですよね。
でも、なかなか簡単ではありません。
つい無自覚で私たちは自分の評価判断を通して
相手の話を聞いてしまいます。
今日は私の体験談を。
社長夫人のAさんをコーチングをしていた時のことです。
ある時セッションで彼女が
「私、PTAの役員になったの」と言いました。
昨今、ニュースなどでPTAの役員のなり手が少ないことは
皆さんもご存じでしょう。
そうでなくてもAさんはとっても忙しい人だったので、
私は「それは大変ですね!」と言いそうになり、
思わず口を閉ざしました。
なぜなら「PTAの役員になるのは大変なことである」
というのは私の評価判断からくる思い込みだからです。
Aさんもそう思っているとは限りません。
そこで、まずは
「PTAの役員になったのですね」と言葉を繰り返して
受け取りました。
それから
「なぜPTAの役員になったのですか?」と聞きました。
するとなんと彼女は「立候補した」と言ったのです。
今まで忙しく仕事をしてきて、子どもの学校の
活動にはほとんど参加できず、ママ友もいないし、
子どもの学校の様子もよくわからない。だから、
今までお世話になった学校へのせめてもの恩返し
の思いで立候補したということでした。
立候補した背景にはとても前向きな思いがあったのです!
私はその話を聞いて内心、
(あーよかった、「大変ですね」と言わなくて)
と思ったのでした。
もちろん、もし私が「大変ですね」と伝えても
二人の対話に問題はなかったかもしれません。
でも、ここまでの前向きな話は引き出せなかったかな
と思います。きっとAさんは私のノリに合わせて、
そうなのよー仕方なく立候補したのよーみたいな
ノリの話になっていただろうと思うからです。
もちろん評価判断を持って聞くことが悪いわけではありません。
部下の話を聞く時や解決が求められる場面では
必要な姿勢でしょう。
ただ、本当に相手が思っていることを聞こうとする時、
時に聞き手の評価判断は邪魔になります。
まずは3分。
自分の評価判断を脇に置いて、話を聞いてみるのはどうでしょうか?
聞きながら色々思うと思いますが、
まずは相手の話を聞いてみましょう。
今週はぜひこれを試してみてくださいね。
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・聞くとは何か
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