おはようございます。稲垣陽子です。
世界最大のコーチング機関であるICF(国際コーチング連盟)のコアバリューが、
昨年変更になりました。
コアバリューとは、
組織が最も重要であると考える価値観であり、
組織員が行動する上で指標となるものと言われています。
(コアバリュー経営協会から抜粋)
2021年に設定された新しいコアバリューは
・プロフェッショナリズム Professionalism
・コラボレーション Collaboration
・人間性 Humanity
・公平性 Equity
の4つです。
今日はその中から「人間性」についてお伝えします。
コーチにとって大事な人間性とはどんなものだと思いますか?
実は以前のコアバリューには卓越性(excellence)
や品位(integrity)といった言葉がありました。
その言葉からも、コーチにとって必要な人間性とは
品行方正で卓越した才能がある、素晴らしい人でなければならない。
・・そんなイメージがありませんか?
実際、私も以前はそう思っていました。
そしてこの言葉を見る度に、ない襟を正したくなる気分になったものです。
しかし、新しいコアバリューの「人間性」は
どうもそれとは違うようなのです。
コアバリューを説明する資料があるのですが、
その資料の中に「人間性」を発揮するためには
どんな行動をすべきかが、箇条書きで書かれていました。
そこには以下のように書かれていたのです。
・人間として、私は完璧であることを意図していないことを受け入れ、
コーチングの考え方で不完全さを表現することは、
私にとってオープンで自己受容の文化を広める機会である。
・常に学ぶべきことがあることを知り、他の視点を受け入れることができる。
・正直さ、透明性、明瞭さを支える本物の人間関係を作る。
・自己認識の継続的な追求と発展。
・自分の過ちを認め、それを認めること。
・自分の行動に責任を持ち、そこから学ぶこと。
・自分の功績を謙虚に受け止めること。
・優越感を感じさせるような行動やコミュニケーションは一切避ける。
・包括性、尊厳、自己価値、人権にコミットする。
(DeepL翻訳アプリ活用)
つまり、すごい人間になれ!とは一言も書いていないんですね。
それよりも、完璧になろうとせず自分の不完全さを認めること。
自分の過ちを認めて常に学ぶ姿勢を持ち続けること。
己を知り、正直で明瞭な人間関係を作る努力をし続けること。
それがコーチに求められる人間性だと、言っているのです。
まさに、以前のメルマガでも紹介しましたが、
時代は、vulnerability(ヴァルネラビリティ)=自分の不完全さを認めること、が、
コーチだけではなく、リーダーや指導者にも求められてきています。
誰かのvulnerabilityな姿が、
それを見ていた人々をオープンにさせ、自分を受け入れて、
個々の力を発揮することへとつながります。
vulnerability(ヴァルネラビリティ)であるためには、
まずは自分の心と思考を微細にメタ認知すること。
そして、それを受け入れる勇気を持つこと。
その勇気は、結果として何よりもあなたを力強く、
また不思議ですが、心穏やかにさせてもくれます。
今週は9月の最終週ですね。
では、今週もどうぞ素敵な1種間をお過ごしください。
==参照サイト====
2022年6月13日のメルマガ
●本当の勇気は「弱さ」を認めること
https://mshn.jp/r/?id=15gpj3131&sid=4758
●ICF コアバリュー(英語)
https://mshn.jp/r/?id=15gpk3131&sid=4758
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