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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】部長の年収はタイよりも低い (未来人材ビジョンより)

おはようございます、稲垣友仁です。

2022年5月に発表された経済産業省の「未来人材ビジョン」。
データに基づいて、日本の危機的な状況が
明らかにされており話題になっています。

経済産業省 『未来人材ビジョン』
https://mshn.jp/r/?id=153j23131&sid=4758

日本が国際社会から取り残されている

書かれている主な内容ですが、
数々のデータが示されています。

・日本は、高度外国人から選ばれない国になっている。 p10
・「現在の勤務先で働き続けたい」と考える人は少ない。 p 11
・しかし、「転職や起業」の意向を持つ人も少ない。 p 12
・日本企業の従業員エンゲージメントは世界最低水準 p 33
・部長の年収は、タイよりも低い p 36
・企業が人に投資せず、個人も学ばない p 40
・日本の人材競争力ランキングは、この30年で1位から39位に落ちた p 41

など、
109ページの資料には、
日本が国際社会から取り残されている「耳の痛い」現状が
ずらりと並んでいると同時に、その解決方法が示されています。

今後の未来に明るい兆しもある

この資料を読んで、
多くの人が悲観的に日本の現状を嘆いていますが、
僕もショックではあるのですが、
なんとなく感じていたことなので今更感も多分にあります。

それよりも教育関係に身を置く自分は、
今後の未来に明るい兆しも見ました。
それは、p71のこの文章を読んだからです。

ーーーーーーーーーー
新たな未来を牽引する人材が求められる。
それは、好きなことにのめり込んで豊かな発想や専門性を身に付け、
多様な他者と協働しながら、新たな価値やビジョンを創造し、
社会課題や生活課題に「新しい解」を生み出せる人材である。
そうした人材は、「育てられる」のではなく、
ある一定の環境の中で「自ら育つ」という視点が重要となる。
ーーーーーーーーーー

経済産業省が教育について語っています。
いま、世界ではOECD(世界経済協力開発機構)も
同じように企業人材を育てるために
教育はこうあるべきだというリサーチをもとに
教育について提言しています。

日本でも文部科学省ではなく、
経済産業省が教育の方向性を示す場面をよくみるようになりました。
これはひとえにデータをきちんととっているからだと思いますが、
特に上記の引用の

『そうした人材は、「育てられる」のではなく、
ある一定の環境の中で「自ら育つ」という視点が重要となる。』

というところが、
教育の本質をついていると思い感銘を受けました。

・OECD加盟国中、日本の15歳の数学的・科学的リテラシーはトップレベル。
日本の子どもは、未来を切り拓く素晴らしい可能性を秘めている。p 72

・答えのない「本物」の社会課題と、教科書レベルの知識を行き来しながら、
教員や研究者の伴走で本格的な研究を進める中学・高校も生まれている。p 76

・一人ひとりの認知特性・興味関心・家庭環境の多様性を前提に、
時間・空間・教材・コーチの組み合わせの自由度を高めるため、
教育システム改革に今から着手することが必要になる。p 95

上記のような良い部分もあり、
これからの日本の未来に向けて、
テクノロジーを使った人間の本質に根ざした教育を行っていこうとする
気概を今回感じました。

個別最適化の時代

現在日本の教育分野でも
新しい教育の形が生まれています。

私が関わらせていただいている、
宇都宮大学が主催する高校生向け科学人材育成プログラム(iP-U)などでも、
単なる科学の授業を講義形式で提供するだけではなく、
本人の興味関心に応じた形で研究ができる環境を提供したり、
個別に大学の先生が相談に乗ってくれたり、
非認知能力を上げるための毎月のふりかえりの機会や
コーチからのサポートなど、
すでに教育の最先端のデーターをもとにデザインされた
最先端の教育の形が提供されており、
そういった未来に向かって走り始めいている団体は、
他にもたくさん知っています。

宇都宮大学グローバルサイエンスキャンパス
https://mshn.jp/r/?id=153j33131&sid=4758

教育面での課題もたくさん書いてあるのですが、
経産省や文科省が言うまでもなく
課題意識を持って走り始めている団体や企業はたくさんあるのです。

今後は、テクノロジーを個に適応させていく形、
個人の興味関心の力を使って教育を進めていく形
模索していくことになると思います。
個別適応していく方向性の中で、
私たちコーチという人の存在はかなり大きくなってくると思います。

現在、学校教育、企業の人材育成分野でコーチとしての仕事をさせていただいています。
また、個人の起業やキャリアチェンジについて
ライフコーチの仕事もさせていただいており、
以前よりも多種多様な方から依頼をいただくようになってきました。

学校教育、企業の人材育成、個人の100年人生をどう生きるか、
などの個人学習が必要な分野は、
今後、個別最適化の時代に入り、個別に支援してくれるコーチという人の需要は
かなり増えてくるのではと予感しています。

参考文献:
経済産業省 『未来人材ビジョン』
https://mshn.jp/r/?id=153j43131&sid=4758

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