おはようございます。稲垣友仁です。
今年も宇都宮大学にて「共創コーチング」の3日間集中講義をリアルで行ってきました。
この講義は、2008年から開講し、今年で14年目を迎えました。
日本の大学で行われている「コーチング」と名の付く正式な講義としては、日本一長く続いている講義となります。
この講義の始まりは、工学部の先生方から頂いた下記の課題でした。
「学生は、高い専門性だけを磨いて就職しても、社会に貢献できない。学生に自らの力で問題を探し、解決する力をみにつけてもらいたい。その課題を解決するための授業として、コーチングを取り入れることで何とかできないか。
そして、ものづくりの分野での大きな目標でもある、人と人との「共創」を目指すと言う意味も込めて「共創コーチング」という名前で講義内容を考えて欲しい」
そういうお話を頂き、先生方とディスカッションを積み上げながら、今の講義内容に落ち着いていきました。
内容等は下記ブログよりご覧ください。⇓
宇都宮大学 大学院 工学研究科 講義『共創コーチング特論』
元々、コーチングは共創(Co-Create)であるべきだと、ICF(国際コーチ連盟)のコーチとしての能力基準であるコアコンピテンシーに記載されています。
では、共創とは何か?
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・「共創」とは、多様な立場の人たちと対話しながら、新しい価値を「共」に「創」り上げていくこと。
*日本の人事部HPより
・「共創」とは、共に創るということ。
自分の力だけでも、相手の力だけでもなく、自分と他人の力を最大限に合わせて新たなものや価値、視点を創り出すという比較的新しい概念。
*共創コーチング特論 テキストより
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と、さまざまな捉え方があるかと思いますが、
共創コーチングの講義では、生徒達に、人と人との掛け算だと伝えています。
そして、共創を体験するために以下のようなことを皮切りに様々な体験をしてもらっています。
生徒達は授業の1日目にセルフコーチングの授業を受けます。
セルフコーチングでは、A4用紙に自分の目標を書きます。
その目標に対して、
・どうしてこの目標にしたのか?
・今どこまで進んでいるのか?
・達成できていない理由は何か?
・何があれば達成できるのか?
・この目標に対して歩む1歩目は何か?
と書かれた定型の質問に筆記で答えていくのですが、
10分ほど、この質問に答えるだけでも色々な気づきがあったと言いますが、
さらに、この自分自身で書き入れた質問用紙を、今度は誰かに質問だけを読んでもらって改めて自分で答えていきます。
すると、書いた時とはまた違った気づきが起こると言います。
さらに、質問する相手は、同じ質問でも言い方を変えていいし、何か聞きたいことが出てきたら質問をつけ加えてもいいし、最後に気づいたことがあったらアドバイスでもあり、ということにしています。
そうすると、一人でセルフコーチングをしていた時とは、また違ったアウトプットが出てきたり、新たな大きな気づきが生まれたりするのです。
なるほど共創とはこういうことかと皆体験していきます。
以前、このメルマガでお話しした、「トロント大学の大規模なコーチング実験」でも、人が関わることで起こる気づきの重要性を訴えています。⇓
『トロント大学コーチング実験より』 共創コーチングブログ
人が人と関わることで得られる価値というものがあり、今後はそれについてもっと重要視される世の中になるように思います。
人が人と対話することで、色々な気づきが起こります。
何も難しいことはなく、対話の場を持つこと、自然と感じたことを質問やフィードバックの形にして相手に提供すること、互いに話をし合う配慮があれば、共創は、自然と起こっていることだと思います。
ぜひ今週は共創的な関わりを意識してみてください。
相手と話していて、何か湧いてくるあなたの感覚を質問してみたり、フィードバックしてみたり、そういう掛け算の対話を、気づきを、ぜひ楽しんでみましょう。
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