おはようございます、稲垣友仁です。
1994年にアメリカで始まったコーチングですが、今年で26年目を迎えています。
日本には1997年に入ってきました。
1997年当時、アメリカ人から通訳を入れてコーチングセミナーを受講しましたが、
当時は、
・クライアントの目標達成をサポート
・行動を引き出す
・答えは言っちゃいけない
・質問によって気づきを引き出す
・褒めてモチベーションをあげる
という形で日本には定着していったように思います。
(当時のアメリカ人のコーチングデモンストーレーションは、かなりフィードバック型でコーチがかなり話していました)
当時中学校の教師をしていた私は本格的にコーチングを学び始め、生徒に使っていました。しかし、何か現場の雰囲気に合わない感じがしていました。
他の先生がティーチング型で行っているのに、自分だけがコーチング型でいると生徒も違和感を感じていたようです。
でも、部活動ではかなり効いていたように思います。
チームとしての目標が明確な場合、とても効果的に機能していく。特に一人が変わるとその他の生徒への影響も大きく、グループダイナミクスがたくさん起こっていて、コーチングをシステムとして使うことで、集団としての結果が明らかに違ってきいました。
ですので、当時から、コーチングを組織やチームに使うことに、大きな可能性を感じていました。
そういうこともあり、当時、コーチとして独立した妻が会社の名前に困っていたので、2002年頃、僕が提案したのが「コーチング・システムズ」で、現在の会社名になっています。
6月のメルマガでも紹介しましたが、
「The art of dialogue in coaching(コーチングにおけるダイアローグ)」で著者の心理学者、Reinhard Stelter博士が、
「クライアントの目標達成志向のコーチング」を第一世代、
「システミックな組織開発に向けたコーチング」を第二世代
と紹介しています。
そして、現在のコーチングは第三世代に入っていると紹介しています。
(以下The art of dialogue in coachingからの引用)
第三世代コーチングになると、コーチングによる対話は「協働して振り返るパートナーとしての機能」を果たすものとなり、ここでの目的は対話によって両者に振り返ることを促進すること。
コーチの大きな役割は、相手の個人的・社会的意味を明確化するプロセスを共に作ることであり、振り返る範囲を広げ、自己認識を高めることによって、過去、現在の出来事の中に一貫性を見出し、それを将来に繋げることにあります。(※平野圭子氏訳)
「共に作る」ということにフォーカスされていて、まさにコーチングも「共創」の時代に来ているということです。
コーチとクライアントが共通の問いを持ち、対話によって積み上げながら、コーチもクライアントも変化しながら新しいものを創り出していく関係が第三世代のコーチングということで、まさに当社が掲げている共創コーチングなのではないかと勝手に盛り上がっています。
コーチがすごい人で、クライアントは弱く引き出してもらう人という関係性ではなく、両者が「対等」で、互いに目標達成に向かう力を対話によって掛け算にしていく関わり。
私たち人間には元々そういう力があり、それが改めて開発されようとしているのだと感じています。
誰か一人のヒーローを待つ時代は終わり、お互い一人ひとりの才能の掛け算を行っていくことが、現在の難局も乗り切るキーになるのではないかと改めて思います。
参考文献:
●「The art of dialogue in coaching」Reinhard Stelter (著)
http://mshn.jp/r/?id=10qpe2462&sid=4758
●JCAコーチングニュース Vo.213 平野圭子氏 より 「第三世代のコーチング」
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