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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】コミュニケーションに正解はない

おはようございます。稲垣陽子です。

20代の頃ですが、コーチングのメンターである伊藤守さんに質問をしたことがあります。

「私は思いがあるのに、人にうまく感謝を伝えることができません。どうしたらもっと上手に感謝を伝えることができるようになるでしょうか?」

伊藤さんは一瞬真剣に考え、それから

「方法なんてないよ。それよりも、どうしたら伝えることができるだろうとそれについて日々思いを巡らすことが大切」

と笑って教えてくれました。

かなり昔の話ではありますが、この言葉は私の支えとして今でも心に残っています。

どうしたら上手く伝えることができるだろうと考え続ける

つまり、コミュニケーションにおいては何か一つのとびっきりの方法で解決するとか、すぐに上手くいく、なんてことはありそうでないんだと思います。

それよりも、
・どうしたら人に感謝を伝えられるだろう
・どうしたらもっと人とうまく繋がれるだろう
・どうしたら相手が自発的に動くのだろう

そんなことを考え続けて、悩みながら、思いつくことを色々と試していくことが大切なんだと思っています。

思いつくことを色々と試していく

クライアントのAさんもまさにそんなお一人でした。

Aさんはメーカーの営業所長。

「どうしたらチームが同じ方向を向いて一丸となって進むことができるだろうか」という悩みを持っていました。

が、そこに正解はありません。

そこでAさんは自分がいいと思ったことを色々と試してみました。

部下と1on1の面談をしたり、面談以外でも意識して声をかけたり、ありがとうカードを導入したり、自席をチームに近い場所に配置換えをしたり、等など。

コーチと話していいな、と思ったことは次回のセッションまでに必ず実行していました。

結果、半年後にはチームの雰囲気がガラリと変わったのです。

部下同士が積極的に声を掛け合ったり、会議で意見が活発に出るようになったりして、チームが同じ方向に向かっていると、Aさん自身が実感できるようになりました。

しかも、チームの成績が大躍進。
半年前には全社で後ろから数えた方が早かった成績が、半年後には、上位に食い込むことができました。

私たちはすぐに正解を求めたくなります。
しかし、全てに正解があるわけではありません。

大切なのは答えよりも問い

社会心理学者の小坂井敏晶さんの本を読んでいたら、

「我々は答えを早急に求めすぎる。大切なのは答えよりも問いです」

と書いてありました。
*社会心理学講義 筑摩書房 43P

答えを求めるのではなく、目指すものに向けて自分なりに問いを立て、色々と試してみると、気づけば自然と良くなっている、なんてことがあるのではと思います。

よって今週は、すぐに正解を求めるのではなく、自分なりに問いを立てて、試行錯誤してみてください。

やったらいいな、と思っていることをやってみる。
思いついたことを実行してみる。
などなど。

思ってもなかった結果が出てくるかもしれません。

今週もままだまだコロナの影響があるかと思いますが、どうぞ心穏やかに、健やかな1週間をお過ごしください。

 

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