おはようございます。稲垣陽子です。
「部下の話は聞けるようになりました。
でも、行動が引き出せなくて、結局、最後にこっちが動いて欲しいことを指示してしまうんです」
部下面談にコーチングを取りいれている上司の方が、こんな悩みを話してくれました。
部下の話を聞いたり引き出そうとはしているけれど、「行動」をうまく引き出せない。
結局、自分の意見を押し付けたり指示をして終わってしまう。
実はよく相談される内容の一つでもあります。
目標に近づくためには、行動を起こす必要があります。
そのためにコーチは相手の行動を明確にし、策定して、後押ししていきます。
しかし、実際にはこの部分を曖昧にしたり、表面的になぞるだけで、面談を終わらせる方も多いように思います。
人はそう簡単には行動を起こしません。
どうしたら、相手が自然と行動を起こすような行動策定をすることができるでしょうか。
今日は行動策定に役立つ3つの質問についてお伝えします。
リーダーの方の面談を観察していると、相手の行動について質問をしようとする時に、「いつまでにそれをやりますか?」と聞く方がいます。
これは、その行動の終わり(finish地点)を聞いている、と言えます。これを聞かれると、いつまでにやらなくてはと、締め切りは守ろうとします。
でも、何から始めていいのかは曖昧のため、すぐに行動を起こしづらいことがあります。
行動を起こそうと思うと、きっかけとなる始まりを聞く方がより効果的です。
「まず何をする?」
「今日からできることはありますか?」
finishだけではなく、startをきくことで、行動は起こりやすくなります。
例えば部下から「お客様に電話をする」という新しいアイデアが出たとします。
リーダーの方の中にはそれはいいね、と認め、「ぜひやってみてね」と後押しをして終わることがあります。
でも、これだけでは意欲は上がるけれど、行動は起こしづらいです。
例えば、この場合なら「お客様に会ったら最初にどんな話をしますか?」「もし違うことを言われたらどうしますか?」など、具体的に質問をします。
具体的に質問されることで、行動をイメージできたり、シミュレーションすることができます。
行動をリアルに感じられるまで具体的にすることで、行動が生まれやすくなります。
行動を聞いていくと、やるべきこと、やりたいことがたくさん出てくることがあります。
これもできるかも、とアイデアがどんどん広がる人もいるでしょう。
なんでもできるような気にもなります。
しかし、たくさんやることがあると、却って何もやらないということも起こります。
そこで、あえて、一つに行動を絞るような質問をするのも効果的です。
「一言だけその方に言うとしたら何を言いたいですか?」
「今日これだけはやりたいことはなんですか?」
「5分しか時間がないとしたら何をしますか?」
など、絞る質問をすることで、自分にとって何が大事なのかがわかります。
大事なものがわかれば、自然とそれに向けて行動が起こりやすくなります。
ぜひ、今週は相手の方の行動にもう一歩深く踏み込み、行動が自然と起こることを意図して関わってみてください。
今日も素敵な1日を。
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