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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】見て見ぬふりをする効果

おはようございます。稲垣陽子です。

週末は母の日でしたね。
花屋さんには色とりどりのカーネーションが綺麗にラッピングされて並んでいました。

 

母の日というと、初めて母に花を贈った日が思い出されます。

確か小学校4年生くらいだったと思います。花屋さんでドキドキしながら、一輪のカーネーションを買いました。

子ども心に、どうやって渡そう、何か言った方がいいのかな、など考えながら帰っていると、家の近くで近所のおばさんに会いました。

おばさんはすかさず、自転車カゴにあるカーネーションを見て、

「あらー陽子ちゃん、母の日に花をあげるの!偉いわねぇ~」

と声をかけてきました。

そう言われても何て答えていいのか分からず、黙って笑っていたのですが、

なんとそこに、偶然母が通りかかったのです。

もう、嫌な予感しかしないですよね・・・。

案の定、すかさずそのおばさんは、

「陽子ちゃんがカーネーションを買ってきたわよ!本当にいい子よね~。」

みたいな話を母にし始めたのでした。

子ども心になんて余計なことをいう人なんだ!と思いつつ、大人たちがこの後の展開を大いに私に期待している様子も伝わってきます。

当時の私は思春期真っ盛り。

思春期の子どもにとって、大人の期待通りに動くことほど嫌なことはありません。

そんな雰囲気にいたたまれなくなった私がとった行動は・・・

「この花は、自分のために買ったの!」

でした。

ようやく余計なことを言ったと気づいたおばさんは、バツが悪そうにし、母は一瞬困った顔をして、その場はなんとも言えない空気に・・。

結局、きちんと母に渡すことなく、カーネーションは居心地悪そうにひっそりと飾られることになりました。

 

人が目標達成をしたり行動を起こしていくためには、目の前で起こっていることや真実を具体的に明らかにしていく必要があります。

そのために、コーチは相手が気づいていなかったり、見えていないことをフィードバックもしていきます。

でも、だからと言ってなんでも相手が気づいていないことをフィードバックしてもいいという訳ではありません。

時には、あえて気づいてても言わないという選択肢もあるのです。

言わないことで、本人が自ら気づくチャンスを与えることにもなります。

かと言って、放任や無関心とは違います。

本当に困った時にいつでも手を差し伸べられるように、心は準備をしておきながらも、

見て見ぬふりをする。
聞こえないふりをする。
知らないふりをする。

このスタンスは、今は「待つ」という心構えなんだと思います。

「待てる」コミュニケーションができるようになると、自分も人も穏やかで豊かな関わりができるようになるのかな、と思っています。

 

今週も素敵な1週間をお過ごしください。

 

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【共創コーチング®コラム】トロント大学コーチング実験より
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