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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®コラム】働かない人に意義がある?

おはようございます、稲垣友仁です。

昨年度は管理職の方々と関わる機会が多く、色々な方々から悩みを聞きました。

多種多様な悩みを聞いたのですが、部下に対する悩みの中で一番多かったのは、要するに

「部下が考えて動かない」

という話が一番多く、傾向の違いはありますが、学校・病院・福祉施設から企業まで、ほぼ同じだなあと思いました。

どうして私たちは「考えて動く」ことができないのでしょうか。

学校も病院も企業も、大学を出て、何らかの結果を残している人もたくさんいるはずです。
学生時代はリーダーだった人も多くいます。

なのになぜ?

このような問いに気づきを与えてくれたのが、下記の書籍です。

「働かないアリに意義がある」 長谷川英祐 メディアファクトリー新書

この本によると、アリの話になりますが・・・。

働きアリはずっと働いているように見えますが、よくよくみていくと8割がサボっていたのだそうです。(7割はボーっとしていて、1割は一生動かない)
働いているのは2割だそうです。

全て働いて欲しいので、サボっている8割を巣から排除し、働いている2割だけにしてみるという実験を行いました。

どうなったと思いますか?

ご想像の通り、全て働いていたアリなのに、
働く2割:サボる8割
に、やっぱり分かれたそうです。

これはどうも集団の力学がそうさせているようです。

人間についても、よく2:8の法則とかパレートの法則と言われるものがあります。
集団があると、その中で実際に結果を出している人は2割でそれ以外の結果に結びつかない人が8割になるというものです。(※集団によっては1:9や3:7になるばらつきもある)
ですので、動物という点ではアリも人間も同じ力学が働いていると私は推測しています。

では、なぜ、このようにサボるのが8割になるのでしょうか?

実験を続けていくと、アリの巣に他の動物から攻撃があったそうです。
その瞬間、サボっていた8割が全力で動き出したそうです。
そして、沈静化したら、また元のサボりになったという話です。

という事から分かった事が、サボっていたアリは、緊急事態に備えて余力を残していたのだそうです。

主体的な2割がやりだすと、他の8割は有事に備えて動かなくなる。

人間で言うと、何となく誰かがやっているとあの人がやってくれているから「まっ、いいか」という感じになりますよね。

この本の結論は、働かないアリがいるから集団が存続していけるという結論に至っています。

話を人間に戻し、上記のアリの話も人間に応用できるとすると、働く(主体的な)2割に入れなかった人は緊急事態に備えて力を蓄えているという考え方をすれば、何となく、「自分で考えて動かない」というのもうなづけるかなと思います。
集団としてバランスを取ろうとしているのです。
これは集団の力学がそうさせているという考え方です。

とはいえ、給料をもらっているのに働かない(主体的にならない)とは何事かと思うかもしれません。

このメルマガでもテーマになっている共創を実現している人(周りの人をうまく動かす人)は、この集団の力学をうまく応用して個人の主体性を引き出し、集団を活性化しています。

どんなことをやっているかというと、

「その人が、主体的な2割に入れるテーマを与える」

ということをやっています。

例えば、営業マンがいたとして、営業の成績はトップ2割は放っておくと固定化される可能性が大です。それは、そのテーマに得意、不得意があるからです。
なので、テーマを変える。例えば、営業ではなく、チームプレーというテーマに対しては、トップ2割は変わってきます。

営業の中でも、新規開拓が強い人や既存顧客へのフォローが得意な人でもトップ2割が変わってきます。要するに評価軸を変えてあげるとトップ2割が変わるのです。

人には2割に入れる集団に貢献できる何かがあるのです。共創リーダーは、そういう機会を与えるのが抜群にうまい。

2割に入れば結果も出しやすくなり、その人も自信を持って日々過ごせるようになっていきます。

そうなると主体性を経験でき、結果を出すと自信が出てきて、後は放っておいても主体的に仕事に取り組むというスパイラルに入ります。そんな人が多い集団は活性化されるのです。

私たちは、どうしても主体的になれない8割の部分に意識がいきますが、

「主体的になっていない人が、トップ2割に入れるテーマは何か?」

そこにフォーカスすることで、部下の主体性を引き出し、しいては活性化された集団づくりができて行くのです。

ぜひ今週は、目の前の部下のトップ2割に入れるものは何か?
を考えながら過ごし実践してみてください。

 

参考文献:
「働かないアリに意義がある」
長谷川英祐 メディアファクトリー新書
⇒ http://mshn.jp/r/?id=0xk4i2462&sid=4758

 

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