おはようございます、稲垣友仁です。
現在、息子の中学校のPTA会長をしていることもあり、先週、卒業式で祝辞を述べました。
その中で、話した、「3人のレンガ職人」の話を今日は紹介します。
一応、外国の童話ということになっていますが、出典は明確ではないので、昔から語り伝えられている昔話ということで、ご理解いただければと思います。
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あるところに、世界中を旅している旅人がいました。
町外れの一本道を歩いていると、そこに一人のレンガ職人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいました。旅人はその男のそばに立ち止まって、
「ここでいったい何をしているのですか?」
と尋ねました。
「何って、見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないよ」
旅人は、その男に
「それは大変ですね」
と慰めの言葉を残して、また歩きだしました。
もう少し歩くと、また、レンガを積んでいる別の男に出会いました。先ほどの男のように、辛そうには見えなかったのですが、
「ここでいったい何をしているのですか?」
と旅人は尋ねました。
「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。」
「この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。仕事が大変だなんていっていたら、バチがあたるよ」
旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けました。
また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわしました。
「ここでいったい何をしているのですか?」
旅人は尋ねました。
「ああ、このことかい?俺は、歴史に残る偉大な教会を造っているんだ!」
「大変ですね」旅人はいたわりの言葉をかけた。
「とんでもない。これから何百年もここで多くの人が祈り、悲しみを取り払っていくんだぜ!本当に素晴らしい仕事にかかわらせてもらって幸せだろろ!」
旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けました。
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という話です。
3人のレンガ職人は同じレンガ積みの作業をやっていたのですが、
一人目の職人は、「単にレンガを積んでいる」と言い、
二人目の職人は、「壁をつくるためにレンガを積んでいる。」と言い、
三人目の職人は、「歴史に残るすばらしい教会を作るためにレンガを積んでいる。」と答えました。
この話は、同じ作業をやっていても考え方とか捉え方次第で、つらくもなるし、希望に満ちて楽しくもなる。という話です。
毎日生活をしていて、まさに過酷な状況の中、レンガをずっと積むような大変なこともあるでしょうが、そんな時に、この話を思い出してみるのも一つかと思います。
目の前の仕事や勉強は何につながっているのか?
どんな未来につながっているのか?
誰のためになるのか?
そんなことを考えて日々の仕事や勉強をやり抜いていただければと思います。
未来への希望を持つことは、目の前のことをやり抜く力にもなるのです。
しかし、これを紹介している私は、それができているかと言うと・・・。
実は、上記の三人のレンガ職人全ての面を持っていると思っています。
一人目のレンガ職人のように、ブーブー言いながら仕事をすることもありますし、
二人目のレンガ職人のように、お金のために仕事をすることもあります。
三人目のレンガ職人のように、未来へのビジョンに向けて仕事をしている時もあります。
三人目のレンガ職人にいつもなることが目標ではなく、まずは3つパターンがあるということを知っていること、そして、どの状態でも選べると言うことが大事なことではないかと思います。
苦しいのは、一つの生き方だけしかないと思って、それに固執してしまうことだと思います。
人間は未来を選べるのです。
そう思うことで、気が楽になって、かえって目の前のことに集中できることもあったりします。
あなたらしい人生を選んでくださいね。
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