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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】沈黙を共有する

おはようございます。稲垣陽子です。

 

あなたは、大勢とわいわい話をするのと、1対1で話をするのとどちらが得意ですか?

 

もちろん「相手」や「状況」によるでしょうが、どちらかというと大勢でわいわい話をするのが苦手、という人もいれば、1対1で話をする方が苦手、という人もいるでしょう。

私は、というと、1対1で話をする方が大勢よりも苦手です。

1対1で話すときに生じる、何を話していいのか分からなくなったり、会話が続かなくなったりして、一瞬気まずい感じになるのが、嫌だからです。

つまり、「沈黙」が怖いんですよね。

この仕事をしてから、1対1の会話に対して、ほぼ苦手意識はなくなりましたが、「気まずさ」みたいなのは、今でも時々感じることがあります。

実際に私だけではなく、研修などで1対1の沈黙が苦手な方?と聞くと、ちらほら見受けられます。

二人の間に流れる「沈黙」に気まずい思いをしたことがある人は、私だけではなく、いらっしゃるのではないでしょうか。

その気まずさが嫌で、つい大して興味ないことを質問したり、自虐的なネタで自分のことを話したり・・しちゃいますよね。

 

では、「気まずい思い」をしないためにはどうしたらいいのでしょうか。

質問の仕方?会話のつなぎ方?を学べばいいのでしょうか。

 

そんなことを考えながら先日、ニッポン放送のアナウンサー
吉田尚記さんの著書「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」を読みました。

吉田さんは自称「コミュ障」なんですね。
アナウンサーだけど、人と話すことを苦手と感じていらっしゃいます。

その著書の中で、
本当に仲の良い関係は「沈黙」していられる関係だ、
と書いてありました。

沈黙を共有できる、一緒にいるだけで心地よい。

確かに、親友とか、仲の良い友達ってそういう関係ですよね。
会話をしてもしなくても、ずっと一緒にいられる。

喋るとか喋らないとかに意識が行くことなく、二人でいることを共有していて、心地よい。

そう考えると、二人の間に流れた「沈黙」を場つなぎな質問で埋めることを考えるよりも、沈黙を共有できる関係を構築することの方が大切なのではと思いました。

沈黙を共有するために大切なことは、まずは沈黙を恐れないこと、だと思います。

沈黙が流れても、自分が何か話したいと思うまで黙って、その空間を共有することに意識を向けます。

今のご時世、スマホも見ていいとは思います。でも、夢中になりすぎない。
常に目の前の人が一番であり、意識は自分でもスマホでもなく、空間においておくことが必要です。

言葉はなくても、同じ空間を共有していると思うことです。

 

そういえば、ふと10代の頃を思い出しました。友人の家で二人で遊んでいた時のことです。多分お互いに漫画を読んでいて、その時は会話がありませんでした。

ある時、彼女が家の人に呼ばれて部屋から出て行ったのですが、
その途端、私は急に落ち着かなくなったんです。

私自身の状況は何も変わらないけれど、彼女が「いない」だけで、空間に穴が空いたような、虚しい気持ちになりました。

このように、会話がないけれど、「いる」のと「いない」のには差があるのですね。

 

沈黙は、埋めるものではなく、空間を共有するタイミングが来たと思って意識を空間や相手に向けてみましょう。

そうすると、居心地が良くなるアイデアが生まれたり、自然と言葉が湧いてきたりするかもしれません。

 

では、今週も素敵な1週間を!

 

*参考図書
「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」
吉田尚記 著 太田出版
https://amzn.to/2QlBaxv

 

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