おはようございます。稲垣陽子です。
私たちには中学生になった一人息子がいます。
現在、すくすくと反抗期を迎えております♪
あんなによく喋ってくれたのに、最近の会話は
「うざい」
「ほっといて」
「あっち行って」
の三点セット。
反抗期だと分かりつつも、悲しくなる母なのです。
かという私自身も強い反抗期があったので、息子の行動を通して自分を見ているような気分にもなります。
まずは、共感が大事だ!
共感するところから始めようと、当時の自分をじっくりと振り返りつつ、きっと息子ならこうして欲しいのでは、と考え、関わると、
ある日、
「お母さんは僕の嫌がることばかりする」
と、言われてしまいました・・・。
一体、どうしたらいいのでしょう。
共感とはなんだろう?
と考えていた時に、
友人のAさんが、こんな話を教えてくれました。
Aさんは、トイレのないところが苦手でパニックの症状が出ます。
なので、普段はあまり電車に乗らないようにしています。
しかし、その日は調子が良かったので、10数年ぶりに埼京線に乗ったそうです。
そうしたら……人身事故。
電車は停車し、電気とモーターが突然止まってしまったそうです。
さらに、電車はいつ動くかわからないとのこと。
呼吸が浅くなる自分を感じながら、彼女は勇気を振り絞り、状況把握をしようと車掌室まで行くことにしました。
車掌さん(女性)に聞くと、1時間は無理、とのこと。
さらに呼吸が浅くなりそうだったので、自分の弱みを車掌さんに伝えたそうです。
すると、車掌さんは
今は忙しいから!待っていてください!
放送をしますから、それを聞いてください!
などとは、言わず、
「大変ですね。何にお困りですか?」
と声をかけてくれたそうです。
そして、Aさんが困っていることを話すと、
「何かできることはありますか?」
とたずねてくれました。
そして、
「手を握っていたほうがいいですか?」
「話をしていましょうか?」
と手を握り、背中をさすってくれました。
車掌さんは事故処理の連絡や放送などをこなしながらも、
常に手を握りに戻ってきてくれ、
最後まで本来の業務をされながらずっと、サポートしてくれたそうです。
この話を聞き、「共感」とは何か?
という問いに私なりに答えが見えてきました。
誰かを「共感」しようと思う時、
私たちはこの漢字に引っ張られ、
「共に感じよう」と思うことが多いのではと思います。
そうすると、自分の過去の体験と照らし合わせて、同じ感情を探ってみたり、
今、自分が感じていることを伝えたりするのが一般的になります。
しかし、それは「共感」ではなく、「同感」になります。
私の息子への対応は、まさに、「共感」ではなく「同感」レベルだったのです。
そうすると、相手には、
「この人、自分のことわかってくれた」
というところまではいかないのです。
「この人も自分と同じなんだなぁ〜」とは思うかもしれません。
でも、関係性が上下だと、
例えば「私も当時は苦しかった」と上の人から言われても、
「今は、自分と違うから、とてもあなたが私と同じように苦しいとは思えない」
となってしまいます。
心の底から相手を共感するためには、
相手の感情をただそのまま、ありのままに受け止めること、となります。
そのためには、寄り添うこと。
相手がどんな感情を感じ、思っているのか、それだけに集中し、寄り添うこと。
そんな共感力の高い人として思い出せるのは、美智子皇后です。
以前、日本女子大名誉教授の井出祥子教授の講演で美智子皇后の話を聞いたことがあります。
阪神大震災後の慰問で、政治家などがスーツで被災地を回っている中、
美智子様は長靴を履き、被災者一人一人の手を握り、
「頑張ってね」ではなく、「頑張りましょうね」と声をかけたと言われています。
東北の震災後の慰問では「大変でしたね」という代わりに、「お辛かったでしょう」と声をかけていました。
このように土俵の外から相手を見て感じたことを伝えるのではなく、土俵の中に一緒に立っていることを想像し、そこから、相手自身が感じているだろう言葉を想像して発している、これが共感力です。
電車の中の話は友人のブログより抜粋させていただきました。
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