先日、ある会社さんのマネージャー研修で、終了後に男性が私に近づいてきて
言いました。
「僕、みんなが怖いって言うのは冗談だと思っていましたが、本当だって言う
のが分かりました。」
その方は、身長180cm以上、体重100kg 以上の巨漢。
よく付き合うと温かく、優しい人だと言うのは分かるのですが、声も大きいし、反応も早く、さらに足と腕を組んで話をするので、関係の浅い人や女性からは怖い印象を与えることが想像できます。
実際に、今まで会話の中で「怖いです」と、何度も言われたことがあったそうです。
でも、本人はその言葉をどう受け取っていたかと言うと、大柄な体型からくるイメージで冗談で言っているのだろう、実際には怖いとは思われていない、と思っていたようです。
なぜなら、本人は自分のことをとても繊細で小心者である、と思っているから。
弱さや自信の無さが自分の中にはあるので、怖さ=パワフルさは、ある訳ないと思っていたのでした。
こんな風に、多くの人は、自分が思っている『自分』と、言動から周りの人が感じ取っている『自分』に差が生まれています。
この“差”が、相手との関係性の中で違和感を生み出したり、不協和音を作り出したりします。
私も見た目から、よく「パワフルなキャリアウーマン」と思われます(笑)。
自分では全然そんなことないって思ってるんですけれど・・・
私は、思ったことをすぐに言葉にしたり、アイデアがどんどんと浮かんでくるタイプなので、積極的なイメージがからそう思われると理解しています。
このように、「自分はどんな人なのか」は相手が決めます。
それは、あなたのちょっとした「聞き方」、「話し方」、「声のトーン」「表情」などによって決まってきます。
よって、自分のコミュニケーションはどんな印象を与えるのか、相手に「どんな人」だと見えるのか客観的に分析をしてみましょう。
例えば、
腕を組んで、大きな声で矢継ぎ早に質問すれば、相手は怖い人だと思うでしょう。
自分は結果が出なくて焦っているだけなのに。
問いかけても無表情、はい、も、いいえ、も言わない。
相手からは、不思議ちゃんで面倒くさい人だなと思われるでしょう。
本人は、ただ一生懸命自分の意見をまとめて考えていただけなのに。
もし周りの人に聞ける場合は、直接、聞いてみるのもオススメです。
「自分ってどんな人に見える?」って。
大抵、自分の予想とは違う答えが返ってきます。
こうやって、自分が思っている『自分』ではなく、人が思っている『自分』について分かるようになると、自分が本当に伝えたいことを伝えるには、どうしたらいいのか、自然と意識が行き、変化が生まれてきます。
この彼も、他の参加者からフィードバックされたことで、自己分析することができ、
「そうか、俺は怖く見えるんだ」と腑に落ちたようで、この後、一気に話の聞き方が変わりました。
研修の最後のワークでは、彼が本来持っている溢れるほどの温かさが、相手に伝わっていました。
今週はぜひ、自分は相手にどう見えているのか、について冷静に自己分析してみましょう。
そして、自分がイメージしている「自分」に近づけるために、コミュニケーションを一つ変えてみましょう。
あなたが本当に伝えたい「あなた」が伝わりますように。