おはようございます。稲垣陽子です。
一般的にですが、
コーチングを学びたいというニーズの裏には、
「やる気のない部下のやる気を引き出したい」とか
「相手を自発的にさせたい」などの上司や親の思いがあります。
しかし、その思いが強すぎると、私たちは
「目の前の人を変えたい」という欲望にはまってしまいます。
そうなると実はコーチングは苦しいものになってしまうんですよね。
質問は詰問となって問いつめるものとなり、
傾聴は、相手の話がいいか悪いかを判断する時間となり、
承認はなく、できているところより、できていないところに目がいきます。
二人の間に流れる目に見えない空気は硬直してきます。
私も時々この関係にハマってしまいます。
「こうなって欲しい」「こうすればいいのに」という思いがエスカレートすると、相手のことを思うことよりも、自分の思いの方が強くなってしまう。
そんな時は、
「相手は自分にどうして欲しいと思っているだろうか?」
というセルフクエスチョンが役に立ちます。
こっちが「変えたい」と思うくらい、相手もうまくいっていない自分を感じているとしたら、
自分にどうして欲しいと思っているだろうか。
だめだと否定するのではなく、やり方を教えて欲しいのかもしれない。
自分の力を試したいから、ほっといて欲しいのかもしれない。
今の気持ちをただ受け止めて欲しいのかもしれない。
相手とのコミュニケーションの中で、自分の「変えたい」欲求がむくむくと出てきた時は、
そこにハマる前に自問してみてください。
コーチとクライアントの関係なら、それをダイレクトに聞いてみてもいいかもしれません。
私自身も駆け出しの頃、先輩コーチに相談をした時に、
「私は今どういうスタンスであなたの話を聞けばいいかしら?」と言われたことがあります。
そう言われて初めて、私はただ愚痴りたいんだな、ということに気づいたことがあります。
もしあの時先輩コーチが、アドバイスをしたり、ポジティブな質問等でコーチングされたら窮屈な思いになったかもしれません。
皆さんと、皆さんの周りの人がうまくいきますように。
今週もどうぞステキな1週間を。