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メルマガ「共創コーチング®」共創コーチ養成スクール稲垣 友仁

相手を無能にさせる関係性

おはようございます。稲垣友仁です。

先日、あるイタリアンチェーン店に食事に行きました。

オープン当時は、店員さんのキビキビとした態度がとても気持ちよく、行列のできるお店だったのですが、最近は、行くたびにメニューも店員の雰囲気も変わり、かつてのような盛り上がりはなくなっています。

先日行った時は、店員がおどおどしていました。
こちらが言ったメニューを忘れたり、何か伝える時もきちんと客の目を見ず、どこか上の空という態度。
お皿を下に落として割ってしまったり、全体的に妙な緊張感とオドオド感が漂っていました。
そのようなスタッフの態度に対して、こちらも少しイラッとしてきます。

あるときハッとして、この店の何かがおかしいと全体を見渡したら、店長ぽいリーダーが、店の全体を見渡せる場所に陣取り、生ハムをスライスしながら、店員の行動を見て、罵声を浴びせていました。

「しっかりせんかい。前に言っただろ!」
「おんなじミスを何回してるねん」
「きちんとせなあかんやないか」

きびきび声を出してやっているように見せかけて、スタッフにそういうネガティブな声掛けをしていました。よく注意して見ないと客も分からない感じです。

多くの人は気づいていないと思いますが、私からすると、どうみてもこのリーダーがこのお店の雰囲気を一人で壊しているように思えてなりませんでした。

リーダーがスタッフに妙なプレッシャーをかけすぎているので、店員は頭がパニックになり、おどおどしたり、失敗してしまっているように思います。
リーダーは、スタッフが無能に見えるのでしょう。なので、自分がすべてをコントロールしないとうまくいかないと思い、全体がコントロールできる位置に陣取り指揮をしている。
しかし、注意すれば注意するほど店員はパニックになり、本来の力を出せないばかりか、失敗ばかりしていきます。そして、指揮のしすぎから、それぞれの持っている考える力や主体性を奪っているように見えます。

実は、上記の様子をみて、リーダーを責めるているのではなく、自分も、同じことをよくやっているなあと考えさせらたのです。

子どもに何かを教えるときや、自分がリーダーとして企画を仕切るときなど、自分のイメージがあって、そこに向けて進めたい。
しかし、相手が思い通りに動いてくれないとコントロールしたくなってしまいます。しかし、コントロールしようと思えば思うほど、相手が想い通りに動かないばかりか、こちらの焦りが伝染して、失敗する人に追いやってしまっている。そういう時は、極端に言うと相手が無能に見えてきます。

皆さんもないでしょうか?

失敗しそうな人を見ていた時に、不安なものだから、途中によく口を挟んでいたら、見事に失敗したという経験。

こういう場合どうしたらいいのでしょう?

いろいろなテクニカルな方法はたくさんありますし、コーチング的に関わるベストなタイミングなのですが、一番大事なのは、自分自身の感情的な部分だと思います。

まずは、相手はそんなに無能でしょうか?出来ないのでしょうか?
あるレベルまでは行っていないかもしれませんが、できる事もあるはずです。
一呼吸おいて、相手にも力はあると思えるかどうかです。

このようなパターンに入ってしまった時は、ぜひ、相手の出来る部分に着目しましょう。

逆を言うと、こうなる原因が、コチラの焦りと不安です。

不安や焦りからの行動を、安心と期待からの行動に変える必要があります。

スタッフも、リーダーから期待されていたら、お客に不安を与えないと思います。失敗も減るでしょう。
時間はかかると思いますが、彼らの未来を見て、彼らの力を信じれるかどうか?信じられるようにするにはどうしたらいいのか?を考えることが、リーダーとしての力量だと思います。

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