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メルマガ「共創コーチング®」共創コーチ養成スクール稲垣 友仁

流れを大切にする

おはようございます。稲垣友仁です。

私は、中学校教師時代にサッカーの審判をよくやらせていただきました。サッカーの審判も、とても深い世界で好きでした。

良い審判に当るとフェアープレーが多く、とてもいい試合になりますが、審判が悪いと試合がよく荒れました。

審判をやるときに注意しなければいけないことが、反則を見逃してしまうと、試合が荒れるということです。そうなると、選手同士が感情的になり、審判の判定に怒りだす選手もでてきて、わけがわからない泥沼状態になってしまいます。そうなると、審判はメンタル的に動揺して、判定基準がずれ、ノーコントロールの状態になってしまいます。

だからといって、ちょっとでも審判が反則っぽいことに対してジャッジしすぎると、試合の流れが止まってしまい、選手がぎこちなくなり、選手も能力が出せずに終わってしまうこともあります。試合がおもしろくないです。

審判は感情的にもフラットな状態でいないといけないので、とてもメンタル的に鍛えられました。

審判の上手い人を見ていると、試合の流れを大切にしていました。
何でもかんでもこちらがジャッジするのではなく、例えば、ボールがラインから出た時に、互いのチームでどちらが出したかわかるときは、あえてジャッジせずに、試合の選手同士の判断に任せます。正しいときはそのまま行わせます。

しかし、判断が間違っているときや、選手同士の判断が難しい時は、明確に笛を吹いてジャッジします。そして隠れて反則をするものに対しては、厳しくイエローカードやレッドカードを早めに出します。

判断基準が明確で分かりやすいと、選手同士も自分たちで正しさを守ろうとしてきます。互いに尊敬の念がわき、フェアプレーが増えますし、そして、持っている力以上のものを出しあい、とてもいい試合をしてくれます。

ここで学んだことが、集団を運営するリーダーは、ある程度、流れに任せることと、こちらの明確な基準を持って接することの両方をうまく使い分けていくことが、運営のコツだと体感しました。
現在、いろいろなリーダーにお会いしますが、成果を出しているリーダーは、この2点をバランスよく使い分けているなあと気づくことが多いです。

リーダーになると最初は、自分がすべて基準を出してコントロールしようと思います。そうなると静かな集団が出来上がり、自主性がうまれにくくなることが多いです。指示命令を待つ考えない成員が増えて行きます。
コントロールする行動は最低限にとどめ、ある程度、成員の想いを聞いたり、どうしたらいいか質問しながら、成員の流れとか動きに任せる部分があると自ら動き出します。その流れをうまく利用していくこと、見守ることも大切で、そこから成員同士の自主性が育って行くことが多々あります。
ここで大事な視点が、成員の自主性を求める事です。放っておいても出してきません。先ほど紹介した審判の上手い人は、選手同士に互いに判断することを求めながらやっていました。「互いにフェアプレーを行い、いい試合になるよう全力を出しましょう」と直接は言いませんが、一つ一つの行動から、そういう雰囲気が伝わってくるのです。

まとめると、
集団を率いるリーダーは、

1.流れを大事にする
成員の行動を引き出したり、促したりしながら、自ら動き出す流れを大事にする。求める。

2.基準を明確に接する
基準(ルール)を明確にし、基準(ルール)に合っているものについては褒め、外れているものにはフィードバックする

大きく分けると、この2点にさえ注意していれば、一人ひとりが考える成果を出す集団が出来上がるのではないかと思います。

今週は、上記でピント来てみたことを試してみて下さい。
リーダーではない人も、人と接する時に、相手の自主性を待ってみたり、行動する時の基準を考えてみたりしてくださいね。

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