おはようございます。稲垣陽子です。
毎週日曜日の朝に「題名のない音楽会」という番組が放映されています。
長寿番組なので、知っている方も多いと思います。
先週は、指揮者の卵たちにプロ指揮者の佐渡裕さんが教える「指揮者クリニック」という企画でした。
これがとても興味深かったです。
私は音楽の素人なので、よく分かってはいません。
でも、オーケストラのリーダーである指揮者に対して、どうしたら相手をうまく活かせるか、ではなく、どうしたら相手が思わず動き出したくなるか、について伝えていました。
まさに「自発的なコーチング」の本質的な部分で、どの業界でも共通なんだと参考になりました。
番組の中で、若手指揮者がオーケストラに向かって
「ここの音を強く出してください」と言いました。
すると、佐渡さんが、
「なぜ?」と聞いたのでした。
強く出せと言われれば、奏者は指揮者に従って強くは出す。
でも、やらされている~という音になってしまう。
佐渡さんは、出せと言われたから出すのではなく、思わず強く出したくなるような指揮を振る必要がある、と言っていました。
では、思わずそうしたくなるための指揮とはどんなものなのか。
私なりに、佐渡さんはポイントを二つ伝えていると解釈しました。
一つは、その音を強く出してどんな世界が待っているのか、世界観を伝えること。
なぜその音を強く出したいのか、出すとどんな変化や結果が起こるのか、指示だけではなく、意志やビジョンも伝える。それにより、奏者も自分が音を強く出す意味が分かり、自らの意志でそうしようと思えるようになります。
二つ目は、サプライズであること。
言葉にしなくても、強調したいところを指揮棒で示すことで、奏者には「そこ!?」という驚きが生まれます。
驚きとは自分が想像していた世界とは違う世界を見ること。
違う世界で変化や成果が生まれてくると、サプライズ(驚き)が楽しくなってくる。
そして、どんどんサプライズが生まれてくるように、自ら変化を求めて、動き出したくなります。
今週は、目の前の人が「思わず動きだしたくなる」ために、この二つのことを意識して関わってみましょう。
指示だけではなくなく世界観を伝えているか。
伝え方や内容にサプライズがあるか。
指揮者の気分で、良かったら試してみてくださいね!