おはようございます。稲垣友仁です。
金曜日からセミナーを4連続でやっていて、今日は名古屋のホテルで書いています。
さて、よく支援者の方で起こるのですが、相手を支援したいばかりに、やりすぎてしまい、相手が自分から動かなくなってしまうということがあります。
こうなるとずっとこちら側から何かを提供し続けなければならない状態で、ほとほと疲れるばかりか、相手の成長や主体性を奪ってしまうことになりかねません。
簡単に言うと、こちらがやりすぎることで相手を依存に追い込んでしまい、相手の自らの行動を減らしてしまうことになります。
教員時代に体験したことですが、
ある先輩先生が委員会活動のリーダーを決めるときに、
普通なら、
こういう係りがありますという教師の説明の後、やりたい人を聞いて、なければ推薦を出してもらうという形で教師手動で動くことが最初の段階では多いのですが、生徒の主体性を引き出すのがうまいその先生は開口一番、
「どうやって決める」と言って、だまります。
そうすると生徒が自分たちで口々にこうやったほうがいいとか、こうのほうがいいとか話し出すではありませんか。
それで勝負は決まりました。すんなりとリーダーになりたいという子が手を挙げて、そのリーダーがその委員会の議事を進めていきました。
小学校3年生から5年生の集団の光景です。
僕の中では、最初はこちらが導いてあげないとできないだろうと思っていたのですが、生徒たちは任せれば自分達で手際よく進めていきました。
この先生は生徒たちに主体的に動くことを望んだのだと思います。
そして、何よりも質問をして生徒が動き出すのを待ちました。
その間、10秒ぐらい沈黙が流れていましたが、沈黙を破った子が出てからの子どもの動きは早いものでした。
相手の主体性を引き出したいと思ったら、相手の行動が起こるのを期待しながらちょっと待ってみるという姿勢も大事だと思います。
沈黙を破って出てきた主体性は、とても強い意志のもとに行動を起こしてくれることでしょう。
今週は、相手の行動が自然と起こるのをちょっと待ってみましょう。
期待することと、投げかけを忘れずに。