大学時代、私はスキーインストラクターのアルバイトをしていました。
そのアルバイトをまとめる二人の専属スタッフがいたのですが、その二人の専属スタッフが対照的な方々でした。
(※専属スタッフは、アルバイトのインストラクターに指導する立場にあり、指導法を教授したり、アルバイトに指示を出したりする方々です。)
その専属スタッフの一人、Aさんは、自分で話をして、自分で決めて、自分で評価をする自己完結型の方でした。
厳しいことも言いますし、チェック魔だったこともあって、彼のそばにいると何か評価をされている感じがして、僕は彼の側に近寄らないようにしていた覚えがあります。
この方と一緒にいると、アルバイトのインストラクター達は、とてもおとなしく、彼が指示をすればその通り動きますが、彼が指示をしなければ動きません。なので、彼が一番動いていました。
Aさんの下にいると、何か自分は出来ないヤツだと思えてきます。
そして、Aさんが、頑張れば頑張るほど、周りのアルバイトはがんばらないようになります。
それに対して、もう一人の専属スタッフであるBさんは、できるだけ、インストラクター達に話しをさせる方で、仕事をアルバイトのインストラクターに任せていました。
で、いい意見があると、「それいいね~、ぜひやってみてよ」と、よく意見を取り上げてくれました。
そのスタッフ、Bさんがいるときの僕達インストラクターの動きは、とても主体的で、おのおの考えて動いていました。
Bさんの下にいると、自分ってイケるじゃんって思えて、自ら動きたい気持ちに駆られます。
シーソーの関係は、リーダーと集団との関係でも存在するようです。
リーダーが力を入れすぎると、集団は引いてしまうように思います。
リーダーが楽に構えていて、一歩下がった位置から見守っていると、自然と、その集団から主体性を取るものが出てきます。
経営者の方々の中にも、自分自身が頑張りすぎて、社員が動かないという状況の方とよく出会います。
リーダーは、周りを動かそうと頑張りますが、その頑張りが社員に余計なプレッシャーや、やる気のなさを生み出していることが少なくありません。
リーダーは、どうしたら社員が上がるか、主体的になるか?を考える必要があり、そこには、相手を上げるスキルが必要になってきます。
上記のような問題を解決してくれるスキルが、コーチングであると、私は考えています。
今週も、先週と同じく、シーソーの関係において下の位置になって、相手を上手く上げてみてください。
わざと落ち込むのではなく、コミュニケーションにおいて、下になった位置から、話を聞いたり、質問したり、相手にインタビューする感じで。
相手に対して、まず最初に頭を深く下げる(お辞儀)ことから始めると、どうもいいらしいですよ。
稲垣友仁(ジョニー)