おはようございます、稲垣陽子です。
みなさんは人の話を聞く時、どんなことを意識して話を聞いていますか?
今日は「聞く」について過去のメルマガより再掲します。
私の体感的な経験にすぎませんが、
多くの人が自分の体験や知識、思想に照らし合わせて人の話を聞いているように思います。
「あーその話、分かる分かる」「自分もそうそう!!」
共通点が多いと聞きやすいですし、対話も進みますよね。
実際に、コーチングを学び始めた人が初めてセッションの練習をすると、
「人の話を聞くのは難しい!とくに
自分の知らない分野(異業種)の人の話を聞くのは難しい!」
という感想をよく言います。
確かに、自分がわからないことや知らないことを聞くのは難しいかもしれません。
でも、不思議なのですが、逆に話した人(話を聞いてもらった人)は、
「異業種の人に話を聞いてもらうと自分にとっては当たり前のことでも
関心を持ってくれたので、すごくよかった」と言うのです。
ここに何が起きているのでしょうか?
当スクールにおいて「聞く」の基礎となっているカール・ロジャーズの流れで、
ピーター・F・シュミット氏が提唱しているパーソン・センタード・セラピーというのがあります。
それについて関西大学心理臨床センター白崎先生が書かれた論文(参照1)の文章を引用させていただくと
と書いてありました。
つまり、
自分と同じだからわかる。
わかるから理解できる。
理解できるから聞ける。
ではなくて、ただその人が表現するままに、
そう思うことを聞き、感じ、興味を持って聞く。
そのことが、聞く姿勢には大切です。
論文の中にも、
と書いてありました。
そんな意識で相手の話を聞いてみたら、例え普段から慣れ親しんだ人でも、
いつもとは違うその人を知れたり、感じることができるかもしれません。
そのためには、二人の間に「スペース(間)」が必要になります。
自分が聞きたいことでいっぱいだと、この間は生まれません。
自分と違う相手の話したいことはなんだろう、と感じ、
興味を相手軸に移すと、自然と言葉に捉われることなく、
相手が本当に話したいことを聞くスペースができてきます。
今週、ぜひ試してみてくださいね。
参考文献1
対話・他者との「出会い」の哲学から考える無条件の肯定的関心 : Schmidの論文から学ぶ
Schmid・・・ピーター・F・シュミット氏
パーソン・センタードセラピーの対話的アプローチの第一人者
(wikipedia参照)
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