おはようございます。稲垣陽子です。
先日、数年前に参加してくれたセミナーの受講生、
Aさんから心温まるメールを受け取りました。
今回はその内容を、Aさんの了解を得て、皆さんと分かち合います。
Aさんは、当時、セミナーでこんな質問をしてくれました。
「私は自分のことを好きになれません。
自分を好きになるにはどうしたら良いですか?」という内容でした。
好きにならないといけないとわかっているけれど、好きになれない。
自分が嫌いだと思ってしまうことが悲しい、
そんな心の奥底の声を持っている方でした。
そこで、私はAさんに「特に自分の嫌いなところはどこですか?」と聞きました。
すると彼女は「手が嫌い」と答えました。
男性のように大きくて、色黒の手を見られるのが恥ずかしい。
爪の形が悪くてネイルができない。
いつも手を見られないように隠してしまう、と答えてくれました。
そこで私は、「他のところは嫌いなままでいいので、
今よりも少しだけ手を好きになってみるのはどうですか?
そのために何かできそうなことはありますか?」と尋ねました。
彼女はしばらく考えて、
クリームを塗って手のケアを始めると話してくれました。
あれから、数年が経ち、先日届いたメールには後日談が書いてありました。
あれから手だけは好きになろうと、手入れをするようになり、
今では不定期だけどネイルもするようになったとのこと。
結果、自分の手を好きになったそうです。
手を好きになることで、
不思議と以前ほど自分のことを嫌いとは思わなくなったと書いてありました。
これは、一例であり、すべてではありませんが、
一般的に私たちは〜が嫌だ、〜が好きだ、と大きな括りで物事を捉えがちです。
そんな時には、その大括りを細分化して見直す方法があります。
・実際にどの部分が嫌いなのか?(事実を聞く)
・嫌いというけれど何%嫌いなのか?(数値化する)
・すごく嫌いから少し嫌いの5段階に分けると?(スケール)
・嫌いと感じるときはいつ?(時間)
このように、わざと細分化し微細にそれを見直してみると、
「確かに嫌いだけど、嫌いじゃない時もあるな」とか、
「一つだけ好きなところがある」など、
嫌いと定義された思考がすこし緩和され、
客観的にみることができるようになります。
客観的にみることができると、反応でただ「嫌だ!」といっていたことに気づき、
少しでも好きになるにはどうしたらいいか、
対応できるようになります。
対応できるとは、変化のポイントがわかるということ。
変化のために行動をとることで、
自然と自分の「嫌いだ」という思い込みも変わり自己受容が高まります。
今週は、自分に対して「ダメだ」「嫌だ」と感じたとき、
この細分化のアプローチを試してみてください。
直接的な感情に直面することは難しいかもしれませんが、
そこから新たな対応策が見えてくるはずです。
では、今週も素敵な1週間をお過ごしください。
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