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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】コーチングとティーチング: かけ算と足し算のコミュニケーション

おはようございます。稲垣陽子です。

コーチングはよくティーチング(教える)と比較されますが、
それぞれ独自の価値があります。

ティーチングは、新しい考えや異なる視点を相手に提供することです。
これは足し算のコミュニケーションのようなもので、
相手の外側に新しい要素を加えていきます。
経験が少なく、具体的な答えを求めている人にとって、有効でしょう。

一方で、共創コーチングは、コーチとクライアントが対話を通じて
共に答えを創り出すことを目指します。
このアプローチはかけ算のコミュニケーションに例えられます。

コーチの考えや視点を刺激として、クライアントは内面で答えを探します。
そして、互いに意見を積極的に共有することで、
新しい視点や価値を生み出すことを目指します。

足し算と掛け算の境界線

コーチも必要に応じて
自身の意見を伝えることは重要だと私は考えます。
コーチングを単なる「引き出す」コミュニケーションと捉え過ぎると、
自分の意見を伝えることをためらう人もいますが、
かけ算のコミュニケーションの範囲内であれば、
意見を共有することは効果的です。

しかし、コーチングとティーチングの境界線は微妙です。
コーチのアプローチとマインドセットにより、
このプロセスがかけ算のコミュニケーションか
足し算のコミュニケーションかに変わることがあります。

この区別の一つの方法は、考えるためのスペースの有無です。
コーチからの知識や情報を吟味し、取捨選択する「考える」スペースや、
自分の意見を「伝える」スペースがあるかどうかが重要です。

なぜならティーチングは知識の追加に焦点を置くのに対し、
コーチングは内面のリソースを探求するからです。

内面のリソースを探求するには、十分な考える時間が必要です。
ティーチングで情報が多く提供されると、スペースが狭くなり、
受け入れるだけで精一杯になり、深く考えることが難しくなります。

特に問題解決志向の人々は自然に教えることに傾きがちですが、
コーチングの真髄はクライアントが自己の内面から
答えを見つける手助けをすることにあります。
多く伝えれば伝えるほど
相手の考えるスペースを狭めているかもしれません。

人は、教えられたからと言って動くとは限りません。
足し算でどんなに知識が付与されていても、
自分の中に腹落ちしなければ行動に変容はされないでしょう。
そのためにも、自分のものとして
知識を自分の中に落とし込むスペース(間・時間)が必要なのです。

今週は、かけ算のコミュニケーションを意識してみませんか?
気づいたら教えることに夢中で自分が話していた、なんてことはないように、
相手との間にスペース(間・時間)を作ることを意識してみましょう。

では、今週も素敵な1週間になりますように。

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