おはようございます。稲垣友仁です。
この5年でコーチングを取り巻く状況は大きく変わり、
現在、企業の中では、1on 1ミーティングという形に変わって
上司と部下が1週間に1回30分のミーティングしようという形の中で
コーチングのスキルや概念が使われ始めています。
私たちも現在、会社に1on 1ミーティングを導入するお手伝いを行っています。
上司部下の関係だと、なかなか上司が部下の話を聞けないという場面に出くわします。
聞けない理由はいくつもあると思いますし、私も理由はわかるのですが、
部下は、上司に話を聞いてもらえないことで、
実は大きなダメージを受けているのです。
ある研究によると、
『人が「孤立」を感じると、
脳内では、殴打によって肉体的な痛みを認識する神経領域とほぼ同じ箇所に、
同様の神経衝撃が起こることが判明した』
*1Adrian F. Ward The Neuroscience of Everybody’s Favorite Topic 2013 Scientific American
これは、部下の話を聞かないことで、
部下に孤立を感じさせているとしたら、
部下を殴ることと同等なダメージを引き起こしているということなのです。
家で、話をしてくる奥さんや子どもに
「ちょっと今忙しいんだ」というのも同じかもしれません。
人と関われない部下や、失敗が怖くて一人でいる部下は、
もしかしたら上記のような脳の状態でいるかもしれません。
変わって、ハーバード大学の研究によると、
「人は他人の話を聞くより、自分のことを話したがる」という傾向があり、
さらに「自分のことを話しているときに、
薬物や食事などの刺激で快感を覚えるときと同じ脳の部位が活性化する」
*2David Rock”Managing with the Brain in Mind” 2009 Booz & Company Inc.
つまり話を聞いてもらうことは、とても気持ちがいいことなので、
元気が出るのはそういうことでもあるんですね。
私たちが思っているより、「聞く」ということは、
インパクトのあることなのかもしれません。
ぜひ今週は、
そのようなことをイメージしながら相手の話を聞いてあげて下さい。
参考文献:
*桜井一紀 「一流のリーダーほど、しゃべらない」2017すばる舎
https://mshn.jp/r/?id=15try3131&sid=4758
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