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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】会話か?インタビューか?

おはようございます。稲垣陽子です。

8月15日。
今日は終戦記念日ですね。

10代の頃、私は祖母に戦争のことを聞きたく
質問をしたことがあります。

祖母は、明治生まれ。
東京の築地で生活をしていました。
戦争中は30代後半で子育て真っ最中だった頃でした。

当時の私はというと、
「戦争は良くないものだ」という正義感のもと、
どれだけ戦争が悲惨なものなのか、知りたくてうずうずしていました。

なので、原爆が落ちたことをどう思ったのか、
東京大空襲の日はどんな感じだったのか、等、
学校で学んだ年表に書いてあるような出来事について、
祖母から「大変だった」「こんなドラマがあった」というような、
秘話が聞けるのでは、と思っていたのです。

しかし、祖母からはどうも思ったような話が聞けない。
当時子どもだった私の父の様子など、
戦争とは全く関係ない話ばかり。

思わず痺れを切らした私は
「もっと死ぬとか、そういう出来事はないの?」と聞くと、

「死ぬと思ったのは戦争よりも関東大震災」と
関東大震災で隣のビルが倒れてきて、
間一髪、逃げ出した話をしだしたのでした。

「会話」と「インタビュー」

当時の私と祖母とのコミュニケーションには
何が起こったのだと思いますか?

私の中では、「戦争とは悲惨なものである。
戦争中、人々は暗く、苦しく生きていたはずだ。」という思い込みがあり、
それをベースに話を聞くことをしていました。

自分の中に持っていきたい話の方向があり、
そこに話をはめようとしていたのです。

それに対して祖母は、
純粋に、私の質問に真摯に答えたに過ぎませんでした。

つまり、私と祖母のコミュニケーションは、
会話ではなくインタビューだったのです。

会話とは互いに話したり聞いたりして、共通の話を進めること。
それに対してインタビューとは、話者、聞き手がはっきりしており、
聞き手が情報を得るために行うこと。
という違いがあります。

私が自分のストーリーを相手に押し付け、
相手に質問を投げかけながらも
相手の話を聞くのではなく、自分の聞きたい話を
聞くことを望んでいたコミュニケーションだったのです。

インタビューが悪いわけではありません。
それなら、最初から
「戦争のこと教えて」と意図を伝えて聞けば
インタビューとして成立をしたでしょう。

コミュニケーションにおける日常の誤解や
ちょっとした違和感はよくあることですよね。

これらは、今ここでどういうコミュニケーションを
とりたいのか、その意図をすり合わせることで
和らぐことがあります。

「戦争のこと知りたいからインタビューしてもいい?」
「戦争の時、どんなことを思ったのか教えてくれないかな?」
そんな枕言葉があるだけで、相手の話す内容は変わってきます。

今振り返ると、祖母は私と楽しい
思い出話を話したかったのかな、と思います。
私ももっと祖母の話を聞きたかったな、
もっと会話を楽しめたら良かったな、と思います。

どうぞ今週も素敵な1週間をお過ごしください。

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