おはようございます。稲垣陽子です。
プロテニスプレーヤー大坂なおみさん。
彼女にはまりさんというお姉さんがいます。
そして、まりさんもなおみさんと同じように
小さい頃から両親によるテニスの英才教育を受け、
21歳になるまで現役のテニスプレーヤーとして活躍していたそうです。
しかし、みなさんもご存知のように、
知名度、実力共に上なのはなおみさん。
なぜ、まりさんよりもなおみさんの方が
テニスプレーヤーとしては成果を残すことが
できたのでしょうか?
なおみさんのお母さん・環さんの自伝を読みました。
そこに書かれていたのは、
小さな頃、運動神経が良く、テニスの資質があったのは、
まりさんの方だったそうです。
だから、両親もまりさんに期待をかけた。
最初に親の期待を一身に背負ったのは
まりさんの方だったようです。
そして、まりさんもその期待に応えようとしたことでしょう。
しかし、その期待は幼いまりさんにどのような影響を与えていたのでしょうか?
直接的な回答は見つかりませんでしたが、
まりさんの雑誌のインタビューを見ると、
「テニスをゲームではなく、勝つか負けるか、生きるか死ぬかのように
とらえてしまっていた」
と答えていました。
それに対してなおみさんは、
人生で最も嬉しい勝利は「初めて姉に勝った時」と答えています。
そして、
「お姉ちゃんは、私と対戦する時はいつもミスが減って手堅いプレーになる。
毎日負け続けたわたしは、勝つためにあの手この手を試したわ。
時にはドロップショットを打ちまくったり、スライスばかり打ってみたり」
「わたしは、毎日色んなことを試していたので楽しかったけれど、
お姉ちゃんはきっと、つまらなかったと思う」
と答えていました。
私はこれを読んで、
結果と才能の因果関係について思いました。
結果がすべてで「負けるわけにはいかない」と思い過ぎてしまうと、
「結果」に合わせ過ぎてしまい、すでにある勝てる才能を
発揮することに終始してしまいます。
それに対して「今度こそ勝ちたい」と思っている人は
どうしたら勝てるかな、と自分の様々な才能を発揮し
トライすることができます。
つまり、結果を重視するのか、プロセスを重視するのか。
結果を重視しすぎると勝利の満足感は得ることができますが、
失敗が怖くなるので才能を試したり、可能性を開くことに
躊躇してしまうかもしれません。
プロセスを重視する人は、結果は簡単には出ないかもしれませんが、
新たな才能を発見したり、一瞬一瞬が新鮮で豊かな感情を感じるかもしれません。
どちらの経験を積み重ねていくのか。
両方大事ではありますが、
バランス次第で未来も少し変わってくるのかもと思いました。
では、今週も素敵な1週間をお過ごしください。
PS
ちなみに引退後もまりさんはとっても魅力的。
これからの人生がもっとキラキラと輝くことだと思います。
人間の価値と勝負の結果はまた別物でもありますね。
参考文献
トンネルの向こうへ 大坂環著 集英社
https://mshn.jp/r/?id=1525g3131&sid=4758
ナンバー_“大坂なおみの姉”まりが振り返る現役時代〈特別インタビュー〉
https://mshn.jp/r/?id=1525h3131&sid=4758
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