おはようございます。稲垣友仁です。
私たち人間は、「葛藤」で苦しむ場面って多いですよね。
その時は、二つ以上の大事にしなければならない価値の中で迷っていることが
多いように思います。
例えば、私は昔、中学校年代のサッカーコーチを行なっていました。
この年代の指導において、チームでは「勝利」することを目指しますが、
同時に選手の「成長」も目的としています。
試合に「勝つ」ことと選手が「成長」することは、
時に相対することがよくあります。
例えば、
以前、私のチームに怪我をしたエース級の選手がいました。
3年生の最後の大会のトーナメント戦です。
チームのことを考えるとこの選手が出ないと勝つ確率は低くなってしまいます。
しかし、この選手の将来のことを考えたらこの怪我を押して試合に出るということで
将来に大きな損傷を負う可能性もあります。
大怪我してたら諦めも付きますが、頑張れば1回ぐらいはいけそうな時にかなり迷います。
あなたが監督なら、この場面で、どのような対応をするでしょうか。
どんな基準で決断しますか。
別の例でいくと、
ある医療機関のスタッフコーチングをしていると、リーダーからよく聞く悩みなのですが、
院内はいつも混み合い、スタッフも患者さんもピリピリしています。
そんな状態なので、出来るだけスピーディーに物事を進めなくてはなりません。
しかし、その雰囲気が過剰になり、
処理に意識が行きすぎることで、目の前にいる患者さんの気持ちがおざなりになってしまいます。
そのことによって、時に患者さんの気持ちを受け取り損ねてしまい、
お叱りを受けることもあったり、失敗も出やすくなることが多々あります。
とはいえ、一人の患者さんのお話を聞くことに時間をさきすぎると、
待っている他の患者さんから文句も出るのは明らかです。
あなたなら、このような場合、何を大切に仕事を進めるでしょうか。
上記の事例では、唯一これだという明確な一つの答えがあるわけではないと思います。
答えはたくさんあるのだと思います。
上記の場面では、
サッカー指導では、
「勝利」VS「成長」
病院現場では、
「効率」VS「人の気持ち」
という価値の対立が起こっているわけです。
これは、いろいろな現場で似たような例がたくさんあると思います。
このような場面で、私たちはどういった選択をするべきなのでしょうか?
コーチとして、いろいろな現場で関わらせていただいていると、
こういう場面をうまく切り盛りしている方が、必ずどの職場にも一人はいます。
その人を見ていると、
この二つの相反する価値をうまくバランスをとって対応していることに気づきます。
違う見方をすると、よく失敗する人を見てみると、たいていどちらかの価値に偏っています。
その価値ではない対応が過剰に求められる時に、失敗するのです。
言われたことしかやっていない方は、この価値のバランスをうまく取ることができません。
一方で、常に自分で考えて行動している主体的な方は、
価値のバランスをうまくとれているように思います。
私たちがお伝えしている、
「共創コーチング」のメソッドでは、あらゆる相反する価値を統合することを目指します。
サッカーの例でいくと、
「勝利を目指しながら成長もできる対応ってなんだろうか?」
と考えていただきます。
病院の例であれば、
「効率を気にしながら患者さんの気持ちも大切にできる行動って何か?」
を考えながら行動を考えていただきます。
これは自分一人で決める必要はありません。
周りの人に聞いて回ることもいいですし、みんなで決めるのもいいんです。
あらゆる方法を使って自分なりの答えを導き出す「プロセス」が、
何よりも一番大事なんだと思います。
1回は失敗するかもしれませんが、
何度か意識的にトライしていくうちに自分なりのポイントを見つけて、
相反する価値の両方をうまくバランスが取れるようになっていき、
現場に対応できるようになっていきます。
ぜひ、今週は葛藤して悩む場面があったら、
まずはどんな価値で悩んでいるのかを書き出してみてください。
そして、どっちの価値も統合した決断って何?
という問いを思い出して、自分で答えが出せない時は、
3人ぐらいの人に相談して決めてみてください。
そうしている間に自然に答えが見つかるかもしれません。
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●上記のテーマをさらに深めるために
下記のバックナンバーがおすすめです。
『共創とは、掛け算のコミュニケーション』
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