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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】これからの最先端教育の形①〜 アメリカ人コーチから学んだ究極のコーチングポイント〜


おはようございます、稲垣友仁です。

3年前の2017年8月に、アメリカへコーチング視察に行ってきました。
今日は、そこで学んだ、今から教育界で中心となるだろう考え方について紹介したいと思います。

本場アメリカ人の心理ドクターが行うコーチング

アメリカでは、いくつか回ったのですが、その中で、当社のクライアント企業のアメリカ本社専属コーチと交流しました。
そこでの出来事になります。

その会社は世界に支社がある会社で、役員はプライベートジェットで移動することもあるような会社です。

その会社のアメリカ本社の管理職は皆、その専属コーチコーチングを受けており、そのコーチは、心理学の博士号を取得して活動していました。

そのアメリカ人コーチと直接話せる機会をいただけたので、その人が、普段、どのようなポイントでコーチングを行なっているのか質問をしました。

コーチングのポイントはアダプト(適合)だ

「あなたは、会社の社員向けにどのような点に気をつけてコーチングを行なっていますか?」

と質問をした時に、彼は言いました。

「人の才能は4歳で決まってくると言われている。なので、コーチングによって人の何かを変えるということは非常に難しい。
私たちができることは、どうやって自分と目の前の仕事を、アダプトしていくかなんだ。
コーチングでは、本人自身が仕事にアダプトしていくことをサポートするんだ」

【adapt(アダプト) ー適合させる、順応させる、慣れる。など】

「例えば、クリーブランドで育つ植物があったとする。ここでは、よく植物が育つ。しかし、アリゾナのような砂漠で水が少ないところにその植物を持っていくと育たないのは想像できるよね。人間も一緒です。
毎日、8時にきて、きちんと決められた仕事をやる人がいて、成果を出している人がいたとする。
そんな人が、僕の仕事のアシスタントになったら、できるかどうかわからない。僕の仕事は、急に変わるので、5分後にはどうなっているか分からないから、それに対応していく力が必要になります。

そういう状況に急に押し込まれたとしたら、ほとんどの人が多分苦しむでしょう。

しかし、そのような変わった状況に、どう対応できるかというところに、コーチングの意味がある。本人もそれを自覚するのが意味がある。

その人ができないから悪いのではなく、人間としてそれを理解するというところが重要なところ。

そこは理解したら、じゃあ、どういう風に、その人がチェンジするのかではなく、アダプトできるかっていうところが重要なのです。

チェンジ、チェンジと言うが、人間には変わることができない部分があるので、いかにアダプトできる状況に持っていくことができるかがコーチングでは重要になるのです。」

ということで、

相手を変えるのではなく、相手の持っている才能と仕事とをどのように適合させていくかというのがコーチングで行うべき最も重要な内容だと私は理解しました。

確かに、コーチングによって成果が出たという事例で多いのが、管理職になりたてのマネージャーにコーチをつけたことで、普段よりスムーズに役職に適応できたということであたったり、スムーズなキャリアチェンジや離職率の低下などでコーチングの有効性が認められたという研究結果を多く聞きます。

そういう意味でも、コーチがクライアントの目の前の仕事に適合させる支援はとても価値が高いのではないかと改めて思いました。

この出来事があってから、アメリカの人材育成に興味を持ち、いろいろと情報を得ていました。

アダプティブラーニング

その頃からアメリカの人材育成で「アダプティブラーニング」という言葉を多く聞くようになりました。

アメリカでは、AIやビデオを使ったオンライン学習が発展していて、企業の人材育成においては、オンライン学習が主流になっており、学習を進めるに当たって、AIがその人のレベルを判定して、数あるデーターから、その人にあった教え方を提供していました。

それをアダプティブラーニングと呼んでおり、学習者一人ひとりの学習進度や習熟状況に合わせてコンテンツや学習方法を提供することで、学習者が容易に深く学ぶことができる仕組みです。

教育分野では、「アダプティブ」という言葉が今後、日本でも流行ることは確信しています。

僕の中では、教育の究極の目的は「適合力」アダプティブの力を育てることだと思います。

元々誰にでもある力なのですが、それを無視した教育、

例えば(花の比喩になりますが)

「チューリップに砂漠で頑張って綺麗な花を咲かせろ」

「チューリップなのに、ひまわりになれ」
的な教育が行われてしまっているように僕には見えて仕方ありません。

アダプティブラーニングというキーワードの増加は、チューリップをチューリップとして、きちんと特徴を捉え、その特徴を元に教育や人材育成の方法が考えられていく世の中への変換が現在起こり始めているサインだと感じています。

次回は、そのアダプティブラーニングについて、世の中の状況や今後の展望などをお伝えしていきたいと思います。

※上記のアメリカ人コーチ
オハイオ州クリーブランド Dr.David G. watterson、jrさん(上記写真、真ん中)
コーチであり、オハイオ州とイリノイ州の認可心理学者

https://mshn.jp/r/?id=1199b79&sid=4758

※稲垣友仁は宇都宮大学と連携して、将来的に活躍する科学人材の育成研究(宇都宮大学iP-U)に携わっています。
人の高性能を引き出す関わりとはどのようなものであるのか下記のコラム連載があります。
これからの最先端教育の形① 〜 アメリカ人コーチから学んだ究極のコーチングポイント〜(上記の記事です)

 

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