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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®コラム】視点を変える方法

おはようございます。稲垣陽子です。

「部下の視点を変えて欲しい」
「経営者視点を持って仕事をしてほしい」

相手に視点を変えて物事を見たり、考えてほしいという声は、よく聞きます。

どうしたら人の視点は変わるのか、これを考えるといつも思い出される映画があります。

それは「ライフ・イズ・ビューティフル」

1997年に公開されたイタリアの映画で、ナチスに収容されたユダヤ人父子の話です。

アカデミー賞もとったのでご存知の方も多いかと思いますが、簡単にあらすじをご紹介します。

・・・

イタリアのある町に住むユダヤ人のグイド。グイドは、想像力ととびきりのユーモアセンスの持ち主で、いつも周りを笑顔にします。

一目惚れしたイタリア人の奥さんと結婚し、息子もできますが、第2次世界大戦が始まり、ナチスの強制収容所に家族3人、入れられてしまいます。

映画は、そんな過酷な状況の中でも、息子に想像力をかき立てさせ、ユーモアと希望で困難を切り抜けていく、という感動のストーリーです。

その中で、こんなシーンがあります。

グイドは収容所の中で、戦前に給仕の仕事をしていた時に客として出会ったドイツ人医師と再会します。

この医師は「なぞなぞ」が大好き。
よく二人は「なぞなぞ」を出し合っていました。

グイドはこの人なら、家族を助けてくれるかもしれない、と期待します。医師からもこっそり「大事な話がある」と言われます。

なんとか二人きりになるチャンスができ、深刻な表情の医師から語られた言葉は・・・
今、どうしても解けない「なぞなぞ」についての相談だったのです。

医師は「その答えがどうしても分からない」と、苦渋に満ちた顔でグイドに訴えます。

そして、「助けてくれ」「眠れないんだ」と言います。

収容所の中で毎日生死に直面しているグイドは、その言葉を聞いて呆然とします。

・・・

このシーンを思い出すたびに、相手の視点に立って物事を考える、ということはいかに難しいことなんだということを思い出させてくれます。

この映画はフィクションなので、もし同じ状況なら、さすがにこんなことにはならないのでしょうが、一般的に、私たちは自分の見たい視点で見たいように世界を見ています。

そもそも自分の「視点」がどうだ、なんて意識することが稀であり、自然と、自分の見たいように見て、見たい視点で世界を見ているものです。

なので、視点を変えるとか、相手の視点に立つ、なんていうことは、簡単にできることではありません。

まずは、世の中には様々な視点があると気づくことから始まるのだと思います。

そのために、一つの出来事に対して「あなたはどう思う?」と色々な人に聞くことができると思います。

自分と意見が違う、なんてことがあればこれはとてもラッキーで、またとない視点が広がるチャンス!なんて捉えられれば、意見が違う人を排除したり闘争するのではなく、
「それってどういうこと?」
「もう少し教えて」
など、興味や関心に変わってくるのではと思います。

ぜひ、今週は自分の視点を広げてみよう、と思いながら、人と関わってみてください。
「あなたはどう思う?」と興味を持って関わることで自分の視点の広がりを感じれるかもしれません。

では、今週も素敵な1週間をお過ごしください。

 

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【共創コーチング®コラム】トロント大学コーチング実験より