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メルマガ「共創コーチング®」

コーチングの本場アメリカで学んだアダプティブ(adaptive)コーチング

こんにちは。稲垣友仁です。

毎週月曜日発行のメールマガジンでもお知らせしましたが、2017年8月21日から28日までの1週間、アメリカへコーチング視察に行ってきました。

そのツアー目的の一つに、当社のクライアントさんのアメリカ本社専属コーチと交流するというものがありました。

コーチングの本場アメリカのコーチはどのような話をするのか楽しみにしていましたが、それ以上にとても人間力が高い暖かい方で、日本語の名刺を作って渡してくれたという話は~アメリカのコーチから学んだこと~でもお話ししたと思います。

今回は、その続きになります。

私たちは、そのアメリカ人のコーチがどのような形でコーチングを行なっているのか質問をしました。

「あなたは、会社の社員向けにどのような点に気をつけてコーチングを行なっていますか?」

と質問をした時に。彼は言いました。

※2017年8月 オハイオ州クリーブランド Dr.David G. watterson、jrさん
※コーチであり、オハイオ州とイリノイ州の認可心理学者

「人の才能は4歳で決まってくると言われている。なので、コーチングによって人の何かを変えるということは非常に難しい。私たちができることは、どうやって自分と目の前の仕事を、アダプトしていくかなんだ。コーチングでは、本人自身が仕事にアダプトしていくことをサポートするんだ」

 

「adapt(アダプト) ー適合させる、順応させる、慣れる。など」

 

「例えば、クリーブランドで育つ植物があったとする。ここでは、よく植物が育つ。しかし、アリゾナのような砂漠で水が少ないところにその植物を持っていくと育たないのは想像できるよね。人間も一緒です。

毎日、8時にきて、きちんと決められた仕事をやる人がいて、成果を出している人がいたとする。
そんな人が、僕の仕事のアシスタントになったら、できるかどうかわからない。僕の仕事は、急に変わるので、5分後にはどうなっているか分からないから、それに対応していく力が必要になります。

そういう状況に急に押し込まれたとしたら、ほとんどの人が多分苦しむでしょう。

しかし、そのような変わった状況に、どう対応できるかというところに、コーチングの意味がある。本人もそれを自覚するのが意味がある。

その人ができないから悪いのではなく、人間としてそれを理解するというところが重要なところ。
そこは理解したら、じゃあ、どういう風に、その人がチェンジするのかではなく、アダプトできるかっていうところが重要なのです。
チェンジ、チェンジと言うが、人間には変わることができない部分があるので、いかにアダプトできる状況に持っていくことができるかがコーチングでは重要になるのです。」

「adapt(アダプト) ー適合させる、順応させる、慣れる。など」

私たちコーチングを学んでいるものにとっては、当たり前の捉え方であるのですが、改めてなるほどと思わされました。

本人自身が変わるのではなく、本人のもっっている才能と目の前の仕事とをどのように適合させていくかというのがコーチングで行うべき最も重要な内容だということを再確認できました。

 

そのためには、クライアント本人がどんな才能を持っていて、どのような状況にいて、何をやっていくべきなのかを本人自身が認識して理解していくこと。それについてコーチは支援をしていくことが最も重要なことなんだと肌感覚で今回学んだ感じがあります。

 

ちょっと大げさに言いますが、今回、彼の話を聞いて学んだ私の教訓が、

『クライアントの何も変える必要はない。むしろ、今あるクライアントの才能を見つけ出し、その才能を使って目の前のことにアダプトしていく』

ということでした。

仕事を行う上では、多くをチェンジしていくことは必須だと思いますが、変えるべきは自分自身ではなく、方法なのだと。逆を言うと、人間は自分自身を変えると言うことは最も困難なことなのです。

彼は、心理学のドクターでもあり、いろいろな心理テストの開発にも携わっていました。

アメリカ人のコーチには、心理学のドクターを持っていて、専門性を持ってコーチをやっている人がたくさんいました。

多分、何年かかかるでしょうが、日本でもコーチはそのような形になっていく流れを感じました。

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