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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子記事一覧

ティーチングとコーチングの違い

【ティーチングとコーチングの違い】

おはようございます。稲垣陽子です。

前回のメルマガでは、1on1 ミーティングについてお伝えしました。

その中で、1on1ミーティングでは、

コーチング+ティーチングが大切というお話をさせていただきました。

(前回の記事はこちらから)

http://www.coaching-syst.co.jp/2018/06/18/8364/

では、ティーチングとコーチングの違いは何でしょうか。

ティーチングとは、教えること。

知識や情報を教える、つまりコミュニケーションは

上から下へ与えるコミュニケーションとなります。

それに対してコーチングは引き出すこと。

相手に考えさせたり、話をさせたりするコミュニケーションです。

育成において、コーチングはとても大切ですが、

コーチングだけではうまくいきません。

やはりティーチングも必要です。

相手がわからないこと、間違っていることはティーチングの出番です。

きちんと教える必要があります。

しかし、教えたからといって人はやるかというとやりません。

理解と行動の間には深い溝があります。

では、効果的なティーチングとはどんなものでしょうか。

 

 

・確認をとる

以前、ある上司の方の面談の様子をオブザーブさせていただいたことがありました。

コーチングマインドもあって、最初はとてもよく部下の話を聞いていました。

5分ほど、じっくり聞いていたでしょうか、

何かの質問をきっかけにして、ティーチングが始まりました。

それから、、、約15分、上司が話し続けたのです。

その話はどれも機知に富んでいて、言っていることは正論でわかりやすかったです。

でも、部下の方は、最初は元気に「はい」と聞いていたのですが、

徐々に、その声も小さくなり、最後は頷くだけ・・・。

でも上司は部下のその変化に気づかず、どんどん話し続けていました。

面談の理想は双方向のコミュニケーションが常に何度も行き交うことです。

ティーチングの時は、どうしても上司から

部下への一方通行のコミュニケーションになる時が多いです。

それを阻止するためには、

ティーチングをする時には必ず途中で

「……なんだけれど、それについてどう思う?」

「会社の方針は…….です。それはどう思いますか?」

と、確認をとりましょう。

これが、実は結構難しいのです。

ティーチングをする時は無意識に、

「自分の意見は正しい」という正義感が生まれます。

正義感から、きちんと伝えたいというエンジンがかかります。

そうすると、どんどん言いたいことが出てきて

本人はそんなつもりはないけれど、

気づけば自分がたくさん喋ってしまいます。

その途中で、確認を取ることは、

右に向かって動いているものを急に左に向かって動かすようなものです。

かなり意識をしないと難しいのです。

実際に、上記の上司の方に、面談後、

「さっきのティーチングの部分、何分くらいしていたと思いますか?」

と聞きました。

すると

「ちょっと長かったよね・・・5分くらいかな」

と言ったのです。

15分でしたよ、と伝えたらとても驚いていました。

盛り上がって話している時や

どんどん伝えたいアイデアが湧き上がってくる時は要注意です。

一方通行のティーチングになっている可能性があります。

その時は一つ呼吸を取って「どう思う?」と相手に答えを委ねましょう。

しかし、盛り上がって話すことが悪いことではありません。

ティーチングの本質は「触発力」だと思っています。

皆さんも、普段はとっつきにくい先生なんだけれど、

専門の教科を教える時はすごく楽しそうで、

教科書に載っていない知識も出てきて、楽しくてつい聞いてしまう、

気付いたらその教科が好きになった、という経験がある人もいると思います。

つまり、ティーチングの本質は

自分の好きなこと、想いを伝えることで、

それにより人々を触発することにあるのだと思います。

そう考えると、

ティーチングであれ、コーチングであれ、

最終的に、こちらの関わりで相手にどれだけ気づきが起こり、

行動への情熱につながったか、が大切です。

ティーチングのポイントはまだまだたくさんありますが、

それは後述のセミナーで詳しくお伝えしますね。

まずは、今週は確認をとることを意識して、ティーチングを行ってみましょう!

素敵な1週間になりますように。

3月10日「職場で使える1on1 meetingの方法」セミナー開催!
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