現在は退職されましたが、学校現場にコーチングを
積極的に導入したS先生という高校の先生がいました。
S先生は、コーチングを活かして、進路指導主任の立場の時に、生徒の就職内定率を100%にするという実績を作り上げました。
S先生のコーチングによる功績も素晴らしいのですが、
なぜS先生がコーチングを取り入れようとしたのか、その動機に感動したので、今日はその話を。
S先生はその高校に赴任する前、県下でもトップクラスの進学校の教師でした。
その時は、受験指導にも熱心で、またそれについてきて結果を出す生徒もいて、
充実した教師生活を送っていたそうです。
しかし、異動となり、次に赴任した高校が、いわゆる教育困難校でした。
複雑な家庭の事情を持った子や、
金銭的に苦労している等で勉強がおぼつかない子などがたくさん来ていたそうです。
そこでもS先生は今まで教師として培ってきたノウハウや技術を使い、
生徒の心をつかもうとしました。
でも、まったくうまくいきません。
生徒の教師に対する見方が違う、
生徒自身の自己否定感が強い・・・・
前提がまったく違うので、今まであれだけうまくいったやり方を駆使しても、通用しませんでした。
その時、S先生は思ったそうです。
「自分はなんて無能なのだ」と。
そして、どうしたら目の前の生徒をやる気にさせることができるのか、
どうしたら目の前の生徒とつながることができるのか、
目の前の生徒たちに合ったスキルを求めてS先生の模索が始まりました。
休日を利用して勉強をし、本を読み、
コーチングにたどり着いたそうです。
そして、S先生の取り組みは成果を出し、県外からも講演依頼がくるほどの注目される存在となりました。
「自分は無能である」と実感すること。
これって、できそうでできないことですよね。
自分が無能だということは、できれば気づきたくないし、認めたくはありません。
だから、うっすら気付いたとしても、いや、そんなことはない、無能なのは自分のせいでなくて、周りのせいだと思いたくなります。
あるいは、どうせ無能だから、と、そこに溺れて諦めたくもなります。
(これ、全部自分のことです!)
だから、日常の中で、自分は無能かも、と気づくことはあっても、それを実感して行動を起こすことは簡単ではないです。
S先生が、自分の無能さに直面し、それを受け入れ、さらに、自分を変えるために、必要なものを一つ一つ身につけていったのはすごいことだ、と、思います。
「無能さ」に向き合うことが全てではありません。
人によっては「有能さ」に向き合うことが必要な場合もあるでしょう。
向き合ってみて、やったらいいなと思いついた、
できる小さなことから行動を起こしてみることをお勧めします。
今週も素敵な1週間になりますように。
PS
自分と直面すること・・・
S先生は、上記のプロセスを一人で行いましたが、
まさに、これを一緒にやるのがコーチの仕事とも言えるでしょう。
コーチは、クライアントが自分自身と直面することを
ニュートラルにサポートする仕事とも言えます。
でも、どんな自分と向き合えばいいのか、
その視点を学ぶのが「パーソナルベース」です。
http://mshn.jp/r/?id=0pk1b2197&sid=4758
今週末の共創コーチ養成スクールは、
「パーソナルベース」コースです。
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