メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子
ライバルを持つということ
おはようございます。稲垣陽子(YOKO)です。
突然ですが、ライバルがいますか?
これは、あるクライアント企業さんでのお話です。
Aさんという、とても論理的で状況を分析しながら動くのが得意なタイプのリーダーがいました。
その隣の部署には、Aさんとは全く真逆のタイプのBさんというリーダーがいました。
Bさんは、アイデアをどんどん出しながら前へ進んでいく、いわゆる行動力があるリーダーです。
全くタイプの違う二人は、考え方や意見が違うため、よく衝突します。
Aさんからしてみると、Bさんは、何も考えていないように思えて、イライラしてくるそうです。
話をする時に、こちらが熟考したことを軽くあしらわれるような気になるのでそうはさせないと、
さらに理詰めで話をしてしまうそうです。
この衝突は、お互いのタイプの違いからの問題なのかと、よくよく話を聞いてみると、
Bさんのようなタイプは他にいるのだけれども、その他の人とは、Aさんはうまくやれているとのこと。
Bさんとだけは、どうもうまくいかないようなのです。
そこで,私はAさんに、
「つまり、Bさんは、Aさんにとってライバルなのですね」と伝えると、Aさんは
「いえいえ、仕事以外ではBさんとは普通に喋るし、ライバルじゃありません」と答えました。
Aさんのように、勝負の世界ならまだしも、調和が必要な職場において、
誰かを具体的に「ライバル」と思うこと自体に、抵抗を感じる人は少なくないのではと思います。
しかし、相手との関係の中に違和感を感じているときは、
まずは、自分がその相手を「ライバル」と思っていないかどうかを自問してみることが大切です。
なぜなら、「ライバル」と認めることで、【3つのこと】を教えてくれるからです。
1つ目は、自分の足りないところ、相手ができて自分ができないこと、自分の弱いところを教えてくれる存在であるということ。
2つ目は、自分の強みが見えて来るということ。
今回のBさんのように明るくはできないけれど、その代わり物事を順序立てて考えることはできるなぁ、など、
足りないと感じることの裏側には、必ず強みや才能が潜んでいるからです。
そして、3つ目は、自分が何を望んでいるかということが明確になるということ。
個人的にはこれがいちばん大切だと思います。
お互いが向かっている方向(目標)が同じだからこそ、そこへ向かう過程の違いが気になるのです。
もし向かう方向が違っていれば、「ライバル」としての感情は生まません。
今回のクライアント企業様でのケースでは、二人の間に「結果を出して会社に貢献したい」という共通の思いがありました。
だからこそ、相手の行動や考え方といった違いがより目立ち、そこがどうしても自分の中では受け入れられないと、衝突になってしまうのです。
自分が何を目指しているのか、ライバルがいなければ、なかなか気づけないことだったりします。
相手が「ライバル」であると認識することで、以上に挙げた3つ
のメリットが見えてきます。
「ライバル」がいるからこそ、自分の強みや才能が分かり、認めることができるようになります。
自分の才能を認めることができれば、「ライバル」の持っている自分にはない才能も自然と認められるようになります。
これは以前、コーチングの技術のひとつ、「承認」ということでお伝えしました。
「ちょこちょこ行為承認」
⇒ http://mshn.jp/r/?id=0kwxw35
お互いの違いを「才能」として認め合えれば、目指している方向は一緒ですので潰し合うのではなく、お互いの力をどう目標達成に対して活用していくのかを考えることができます。
そして、同じ方向を目指している貴重な仲間として、「競争」するのではなく「共創」しあえるようになります。
その相乗効果によって、目標達成のスピードやその確率も上がってくるのです。
今週は、ぜひ、稲垣さんの「ライバル」をきちんと認識してみることを実践してみましょう。
そして、上記の3つのポイントを見つめてみてください。
自分と相手の見えていなかったお互いの強みや才能が見えてくると思います。
そして、大切な仲間であると実感できると思います。
では、今週もステキな1週間をお過ごしください。
コーチング・システムズ
稲垣 陽子