おはようございます。稲垣陽子です。
少し前の話ですが、幼稚園の卒園式を前に、お母さんたちと話していたときのこと。
卒園式当日は、子供が親宛に書いた手紙を読み上げる時間があり、みんなで「そんなの聞いたら泣けちゃうかも~」と談笑していました。すると一人の お母さんが、「泣くのはいいけど、だんなの前では絶対涙を見せたくない!」と言うのです。「だんなが見ているかと思うと泣くのが恥ずかしい」と周 りのお母さんも同調。
しょっちゅう、だんなの前で泣いている私としてはとても新鮮な驚きでありました。
でも、多くの人が身近な人に自分が本当に感じていること、特にネガティブな感情を表現するのを躊躇する姿は、コーチングの中で実に多く見受けられ ます。
言葉にしたら、馬鹿だと思われるのではないか、舐められるんじゃないか、リーダーとして(親として)そんなことを言ったらびっくりして不安にさせるのではないか、頼りないと思われるんじゃないか、士気を落とすのではないか、怠けるのではないか・・・。
だから、本当は自分も苦しいけれど、プレッシャー感じるけど、悲しいけど、不安だけど、
ぐっとこらえて、
「このくらい明日までにやれよ」(やれなかったらどうしよう~)
「今月は絶対に目標達成だぞ」(達成できなかったらみんなに去年より多くボーナスを渡してやれなくなっちゃうな~)
「後は私がやります」(私にできるのかなぁ~)
など、強気な言葉を投げかける。
今週は、強気な言葉を出す前に、その裏にあるちょっと弱気な気持ちも言葉にしてみましょう。
本当は心配なんだ、できるか不安なんだ、申し訳なく思っているんだ、寂しいんだ。
きっとあなたのそばにいる人は、そんなあなたに手を差し伸べてくれるはず。
またコーチの人は、その人の強気な言葉の裏にある感情に意識を向けて関わってみましょう。
普通は本人すらも気づけていないものです。
気づくだけで、何かが変化するかもしれません。