おはようございます。稲垣友仁です。
そろそろ夏も終盤になってきました。
が、暑いですね~。
今日から、また講演であちこち行かせていただきます。
さて、ある、中学校の体育教員を行っていた方から聞いたお話です。
水泳の授業のときにどうしても泳がない女子生徒がいました。
水泳のテストがあったのですがテストも見学です。
この先生は、彼女が泳ぐようにいろいろ説得をしますがなかなか泳ごうとしません。
「それでは、だめじゃないか。」
「泳がなきゃ、成績がつかなくなるよ。」
ついには、そんな言葉が出てしまいます。
そんなときは、心の中でこう叫んでいます。
「なんで、君は泳がないんだ」
「なんで、できないんだ」
「なんで、やらないんだ」
この先生はコーチングを学んでいました。
そういう自分に気づいて
ふと、
この子を泳げない気持ちにさせているものは何だろう?
というところに意識が行ったそうです。
そして、質問のパターンを変えたそうです。
「何が君を泳げないようにさせているの?」
「泳げない理由を教えてくれるか?」
という質問をしたそうです。
そういう質問をしたら、その子は話し始めたそうです。
で、答えは、
「恥ずかしいから」
ということでした。
普通なら
「恥ずかしいなんていうもんじゃない!」と一喝したいところですが、
この先生はその子を受け止めました。そして、
「そうか。だったら、どうしたら(何があれば)泳げるようになるかな?」
という質問が出てきたそうです。
その女の子は、
「先生と泳げない子の3人だけなら泳げる」
と言ったので、その子を信頼して後日補修の時間を持ったそうです。
本当にその子が来るかどうか心配だったのですが、
その女の子は水泳の補修の授業にきちんときたそうです。
そして何とか泳いだ。
私たちは、「why(なぜ)」で相手を問い詰めてしまうときがあります。
何でできないんだ?何でやらないんだ?
これは、人への信頼がありません。
この場合は「What(なに)」で聞くことで、相手への信頼を勝ち取ることができました。そこには信頼があります。
何が君をそうさせているの?
どんな時でも、相手には自分自身で問題を解決できる能力がある。
相手を信頼している。という想いの元に放たれたスキルであることが大事だと改めて思いました。
稲垣友仁