

おはようございます。稲垣陽子です。
今日、3月9日は「サンキューの日」。
語呂合わせではありますが、「ありがとう」を思い出すにはぴったりの日ですね。
今日は、そんな「ありがとう」について書いてみたいと思います。
突然ですが、
人から予期せぬプレゼントをもらったとき、あなたは何と言いますか?
「ありがとう」でしょうか。
それとも「すみません」でしょうか。
私の母は、よく「あら〜すみません!」と言っていました。
なんで「すみません」なのかな、と思ってあまりいい印象がなかったのですが、
ところがある日、ふと気づいたのです。
自分も母とそっくりのトーンで、「あら〜すみません!」と言っていることに。
コミュニケーションというのは、それくらい周りに影響されるものです。
口癖や言い方は、近しい人のものに自然と似てきます。
それに初めて気づいたのは、10代の終わりに一人で京都を旅したときのことでした。
旅は気ままな一人旅でしたが、宿泊は母の友人のお宅に泊めてもらうことになりました。
そこには私と歳の近い娘さんと、歳の離れた男の子が二人。
ご両親とおばあさまがいらっしゃいました。
お宅に到着して、私はいつものように
「お邪魔してすみません…」と言いました。
すると娘さんはニコッと笑って、こう言ったのです。
「来てくれてありがとう!」
そのあと、お母さんに母からの手土産を「大したものじゃないんですが…」と渡すと、
「あら〜すみません」ではなく、
「あら、嬉しい!ありがとう」とおっしゃるのです。
それからというもの、お父さんも小さな弟たちも、
何かあるたびに「ありがとう」と言う。
その心地よいこと!
私は30分も経たないうちに、
ありがとうのシャワーにすっかり魅了されてしまいました。
そして、その体験は私に大きな気づきを与えてくれました。
「同じ状況でも、言葉は選べる」ということです。
私はそれまで、何気なく「すみません」を言っていました。
でも同じ場面で、「ありがとう」と言うこともできる。
言葉一つで受ける印象はまったく変わります。
どちらの言葉を使うか選ぶことができる。
そのことに、初めて気づいたのです。
それから私は、そのお宅を真似して、
少しぎこちなくても「ありがとう」を意識して言うようにしました。
そのお宅では、本当に些細な場面で、すぐに「ありがとう」が使われていました。
例えば、
・笑ってくれてありがとう(喜び)
・一緒にテレビを見てくれてありがとう(同じ時間)
・今日もそばにいてくれてありがとう(存在)
・醤油をとってくれてありがとう(行動)
・醤油が欲しいと気づいてくれてありがとう(気づき)
・昨日はそうじをしてくれてありがとう(過去のこと)
つまり、
いつでも、どんなときでも、ありがとうは言えるのです。
「ありがとう」という言葉の語源は
「有り難し(ありがたし)」と言われています。
「有ることが難しい」つまり「めったにないこと」。
あなたがしてくれたことは、当たり前ではなく、本当はとても貴重なこと。
そんな意味が、この言葉には込められています。
なので、
「すみません」「恐れ入ります」と言う言葉も、自然であり、
「すみません」だけ言うのは、後ろの「ありがとう」を
省略しているだけと言うことにも気づきました。
つまり、相手の行為や手間を認識して感謝するという意識を持つと、
ありがとうの場面は広がってきそうです。
言葉一つで、相手への印象も、そこに生まれる文化も、時間はかかりますが変わっていきます。
今日は3月9日、サンキューの日。
ぜひいつもより少しだけ多く、
誰かに「ありがとう」を伝えてみてください。
あなたの言葉から、あなたの周りにあなたが作りたい文化を広げてみませんか。
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