8月4日から6日までの3日間、岡山のIPU環太平洋大学で「コーチング基礎(Co-Creative Coaching Basic)」の集中講義を担当しました。
今年で2年目となるこの講義には、50名を超える学生が参加し、昨年以上に活発な対話と気づきが生まれました。
IPUでは、すでに関京子さん(CTI創設時メンバーによるライフコーチング)や佐藤典子先生(博士・ビジネスコーチ)の授業が開講されており、大学全体で「コーチング文化」が根づきつつあります。
その中で私は「人を支援する立場としてのあり方」をテーマに、コーチングのエッセンスを体験的に学ぶ3日間のプログラムを実施しました。
🗓️【1日目】「聴く」ことから始まる支援
初日は、コーチングの定義と基本的なスキルを体験を通して学びました。
「聴く」「承認する」「問いかける」という基本動作を実際にペアで練習しながら、
“人の話を本気で聴くとはどういうことか”を体感してもらいました。
「相手の話を最後まで聴くことの大切さを感じた」
「承認は直接よりも、間接的に伝えるとより心に残る」
「アルバイトや友達との関係でも使えそう」
多くの学生が、「教える」ではなく「相手の中にある答えを引き出す」関わりの大切さを感じ取っていました。
🤝【2日目】人間関係のバランスを見つめ直す
2日目のテーマは「人との関係性」。
講義では、“シーソーの法則”という比喩を使いながら、人間関係が上下や優劣ではなく、
お互いのバランスによって成り立つものであることを考えました。
「相手に合わせすぎて疲れていたけど、少しずつ自分の意見も出していこうと思った」
「言いたいことを我慢して関係を保とうとしていたことに気づいた」
「相手を変えようとするのではなく、自分の立ち位置を整えることが大切だと分かった」
“自分と相手のバランス”に気づくことが、良い人間関係を築く出発点になります。
学生たちは、自分の日常の人間関係を振り返りながら、「どう関わるか」を見つめ直していました。
🚀【3日目】自分のビジョンを描く
最終日は、自分の「ビジョン」を言語化し、それに向かう行動をコーチングのプロセスで整理しました。
ペアでコーチングを行い、互いにフィードバックし合う中で、
自分の強みや課題、そして次の一歩が明確になっていきます。
「将来、中国語を教える先生になりたい」
「税理士の資格を取り、人の生活を支えたい」
「まだ夢は決まっていないけれど、今できることを見つけたい」
コーチとして「相手の話を引き出す難しさ」や「聴くことの深さ」を体感することで、
多くの学生が“人を支援するとは何か”という問いを自分ごととして感じ取っていました。
✨3日間を終えて
初日は「コーチングって難しそう」と言っていた学生たちが、最終日には「友達や後輩にも使ってみたい」と語ってくれました。
たった3日間でも、人との関わり方や自分との向き合い方が変わる。
その変化こそが、この講義の一番の成果だと感じています。
将来、教育・スポーツ・福祉・ビジネスなどさまざまな場面で、人を支援する立場に立つ彼らが、この経験を糧に、自分らしい“共創的な関わり”を育てていってくれることを願っています。
*下記写真:授業の最後に、これから持っていきたい’ことば’を選び皆の前で発表する場面