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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】言葉をそのまま受け取ってみる

おはようございます。稲垣陽子です。

「私、上司のAさんに嫌われているんです」

外部コーチとして関わっているクライアント企業の社員Bさんから、
あるとき声をかけられて言われました。

Aさんをコーチしていた私としては、
Aさんがそんなことは思ってもいないことはわかっていましたが、
なぜBさんはそう思うのか話を聞くことにしました。

事実だけを聴く

・自分は期待されている成果を出せていない
・チームの他の社員と比べて能力が劣る
・チームに貢献していない。だからAさんから声をかけてもらえない
よって、自分はAさんから嫌われている。

Bさんの中には概ねこのようなストーリーが出来上がっていました。

Bさんからは、私に「そんなことないよ」「思い過ごしだよ」などの言葉を
投げかけてくれることを期待されているようにも感じましたが、
コーチとしては、内容について善悪の判断はしませんし、
守秘義務がありますので、
Aさんを感じさせるようなことは一切話すことはしません。

よって、Bさんの話をただ「事実だけ」を聞くようにしました。
実際に何があったのか、そのときAさんは何と言ったのか、
事実を聞いていきました。

すると、BさんはAさんから
「大丈夫だよ。次からは気をつけてね」と
言われたことがわかりました。

それを聞いて私は、え?それって嫌っている人が言う言葉なのかな?
という素朴な疑問が出てきました。
本当に嫌っていたらもっと違うニュアンスで話すのではないかと思ったのです。
そして、相手の言葉を素直に受け取っていないBさんがいるとも思いました。

そこで、私が感じた率直な感想を伝え、
Bさんに「その言葉をそのまま受け取ってみるのはどうですか?」と提案しました。

相手のポジティブな言葉に自分の思い込みを乗せて否定したり、
言葉の裏を読もうとするのではなく、
相手の言葉をそのまま受け取ってみることを提案したのです。

Bさんは私の提案に一瞬怪訝な顔をしましたが、
確かに受け取っていない自分に気がついたようでした。

私にもBさんのようなところがあり、
ポジティブな言葉に対して、
つい相手の言葉の裏を読みたくなったり、否定したくなります。

今週は、ぜひそのまま相手の言葉を信じて受け取ってみませんか。

受け取るために必要なことは力を抜くことです。
逆に、受け取らないと、あれやこれやと自分の頭でストーリーを考え、
疑い、悶絶することになり、すごく力を使います。

それよりも、力を抜いて言葉をそのまま受け止めてみましょう。

言葉をそのまま受け取ってみると、
案外世界はシンプルで優しいものだと感じます。

*実例については、実際の体験談をもとに
人を特定できないように加工させていただいております。

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