おはようございます。稲垣陽子です。
先日、自分がコーチングを受けていた時のことです。
私のコーチはとても上手に話を聞いてくれるので、
私はどんどん新しい考えが引き出され、いつもたくさん話すことができます。
その時も雄弁に話をしていたのですが、
途中で、なぜだかふと黙りたくなったのです。
コーチが聞いてくれることで自分の中で閃いてくる言葉や考えを、
自分の中で味わいたくなったと言いましょうか、
落とし込みたくなったと言いましょうか、
言葉として外に出すのではなく、内側で吟味したくなったのです。
実際に、私は黙り、自分が今閃いたことや思いついた考えを、
自分の中に存在するもう一人の自分に向かって対話を始めました。
その間、コーチはずっと黙って待っていてくれました。
私にとってはとても深遠で意義深い時間となりました。
クライアントにとって、コーチに話を聞いてもらうことはとても有効な時間です。
信頼関係の構築や内省や気づきにも繋がります。
それと同時に自分の中にあるもう一人の自分(内側の自分)の声を聞くことも
とても大切なことなんだと改めて思いました。
おそらく誰にでも、外から見える自分とは異なる心の深い部分に
もう一人の自己があるのではと思います。
その存在は不確かだけれども、
本当に自分が大事にしたいことをキャッチしている存在として
感じている人は多いのではないでしょうか。
そのもう一人の自分(内側の自分)の声を聞いてみましょう。
頭で考えたり、感情を感じたりすることは、
人に話を聞いてもらうことで自覚的になりますし、
自分の認識が高まります。
でも、その外側で自覚的な自分で、
自分の内側にいるもう一人の自分と対話をして内なる声を聞いてみてください。
「その考えは私の中のどこから来ている?」
「無視している感情・思考はないだろうか?」
「その思考の奥で、今、私は何を求めてる?」
コーチや人と話すことで自覚できる自分もすごく大事なのですが、
それと同じくらいに、自分が自分の内側にいるもう一人の自分と
対話をする時間を設けることもとても大切です。
それは、二人の間では沈黙となって現れます。
多くの人が沈黙を怖がり、思わず話してしまったりしますが、
それは内側の声を聞く機会を逃してしまうことにもなるのです。
自分の中にあるもう一人の自分(内側の自分)の声を聞く。
そのためには、沈黙が大切です。
ぜひ、今週は沈黙を怖がらずに対話を楽しんでみてください。
沈黙も対話の一部です。
良質な対話で外側の自分に気づけたからこそ、
内側の自分との対話に価値や発見が生まれるのです。
では、素敵な1週間をお過ごしください。
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