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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】知ったかぶりに御用心

おはようございます。稲垣陽子です。

以前、家族で中華料理を食べに行った時のことです。
そこで息子が坦々麺を注文しました。
すると、お箸とレンゲ以外に、銀色の穴あけスプーンがついてきたのです。
形は普通のスプーンなのですが、すくう部分に穴が10数個空いています。

それを見た息子が「これ、何に使うの?」と聞いてきました。
スープを飲もうとしても穴が空いているのですくえません。
そこで私は「野菜を食べるために使うのよ」と
さも知っているかのように答えました。
きっとそうだろうと思ったからです。

すると息子が坦々麺の上に置かれた大きなチンゲンサイをみながら
「野菜くらい箸で食べれるんですけど・・」と呆れたように私に言います。
確かに・・息子の言う通り!

すると主人が「スープに沈んだひき肉を食べる時に使うんじゃない?」と
助け舟を出してくれて一件落着。
確かにひき肉を食べる時に便利そうです。

思い込みで答えてしまう事

実は、私、お恥ずかしながら、
上記のようなコミュニケーションをとることがあります。

誰かに尋ねられたり、自分とは違う意見を聞いた時に、
フッと閃いたことを自分の思い込みで答えてしまいます。
しかも質が悪いのは、
自分の考えが正しいかのように(さも知っているかのように)話してしまうこと!!

自己嫌悪とともに、なんでそうなってしまうのかしら・・と、振り返ってみました。
すると私は「分からない」「できない」が、
言えないんだ、ということに気づいたのです。

この時も、なぜ穴あけスプーンが付いてきたのか分かりませんでした。
だから、「なんだろうね・・分からないよ」と言えばよかったのです。
でも、その時私の頭の中には「分からない」という言葉を言う選択肢はありませんでした。

それよりもスプーンがあるということはきっと食べやすいのだろう、
食べやすいとすれば、それは野菜だろう、という勝手な私の解釈が働き、
結果、「野菜を食べるため(にあるはずだ)」と
さも知っているかのように伝えてしまったのでした。

自分の「できる」「できない」に忠実である事

みなさんはどうでしょうか?
「できない」「知らない」「分からない」を
素直に言うことができていますか?

私ほどではないとしても、
実は結構多くの人が、言えずにいるのではないでしょうか。

なぜなら、私たちの多くは、自分が何ができて、
できないのか、何を知っていて、知らないのか、が、
あまりよく分かっていません。
事実と解釈が混在しているのです。

例えば、上司から「この仕事できる?」と初めての仕事を任されたとします。
部下としては、やったことがないけれど、
上司からの頼まれごとは断ってはいけないのではと思い、
以前似たような仕事をやったことがあるので、
できるだろうと思い「できます!」と言います。
でも実際に手をつけてみたらすごく大変だった、
結果、予定の期日に間に合わなかったなんてことがあります。

もし自分の「できる」「できない」に忠実であれば、
「今までやったことがないので、できるかどうか分かりませんが、
以前似たような仕事をしたことがあるので、やってみます」
という言葉を選ぶと思います。

その方が、双方ともに状況が分かりますよね。
特にポジティブな人や、リーダーなど頑張ることができる人ほど、
自分の中にある「できない」を認めることは難しくなります。
「できない」と認めるよりも、
「できるとしたら」「わかるとしたら」という視点で、
見ることの方が多いでしょう。でも、全てが分かる人などいません。

自分もできないことがある、わからないことがあるという前提で周りを見ると、
例えば、先の私の例なら、息子の質問に対して
「さぁ、なんだろうね。よく分からないけど、野菜を食べるためにあるんじゃないかな?」
というコミュニケーションになり、それは、もっと気楽で、本音で、
双方ともに等しくなるコミュニケーションになると思うのです。

この逆のタイプの方も多いと思います。
知っていることは多いのに不確実なので
「知らない」「できない」のスタンスをとろうとする人もいます。
その場合は「知らない」の一言か無言で対話が終わってしまうことがあります。
無言でいれば、恥をかくことはありませんが、
対話が弾むことはないでしょう。

ICFのコアコンピテンシーには、
「5-2.知らないことに対しても快適に(問題なく)対応している」
という項目があります。

これは、自分の中の無意識の「知らない」ことへの防衛を解き、
自分の「知ってる」「知らない」に素直になってみることです。
そして、どの部分が知っていて、
どの部分が知らないのか、丁寧に言語化してみましょう。
そこから、教えて、聞かせて、
と対話を紡ぐことで快適に対応できるようになります。

ぜひ、今週はこの知らないことへの防衛を解き、対話を深めてみてください。
今週も素敵な1週間を。

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